
※備考に示すように提供にかかる証拠を必ず残すとよい。
特許法では「公知になった発明は特許を受けることができない」と規定されています。
ところで,ここにいう「公知」とは法律上,いかなる概念をいうのでしょうか。
一般に,「公知」とは,当該発明について,1.守秘義務のない者が,2.技術的にその内容を理解したこと,をいうものとされています。
発明がなされると,一般には下図に示すように,社内報告→試作外注(共同開発)→新聞発表→試作品納入→学会発表などを経て,製品の販売開始に至ることが多いと思われます。
これらの各行為によって発明は公知になるのでしょうか。
例えば,社内報告は,守秘義務のある上司・同僚に対する技術報告ですから,上記2は具備しても1は具備しません。
従って,社内報告では「公知」にはなりません。
共同開発の場合は要注意です。
共同開発するくらいですから,上記2は具備することでしょう。
そこで,共同開発先とNDAを締結しておかないと,1も具備することになってしまい,特許法上「公知」であるとして特許を受けることができなくなってしまいます。
この点は,下請に対する外注試作や,顧客に対する試作品納入も全く同じですので注意を要します(試作品から発明が技術的に理解可能な場合を前提にします)。
新聞発表は,一般人に対する発表のためNDAを締結するということは不可能です。
しかし,技術的に肝心なポイントをぼかすことによって,2を具備することを回避すれば「公知」ではないでしょう。
このように,情報管理においては,NDAを有効に使うことによって,発明が公知になることを防ぎつつ,特許戦略を構築していくことが重要です。
Copyright @ M,Samejima