特許,商標,著作権,不正競争防止法など知的財産に関する法律問題を鮫島正洋が解決!

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知財判例時々刻々

≪存続期間が延長登録された特許権の効力範囲が争われた事例≫

【東京地裁平成28年3月30日判決 平成27年(ワ)第12414号 特許権侵害差止請求事件】

【キーワード】
存続期間、延長登録、オキサリプラティヌム、オキサリプラチン、延長後の効力、68条の2

≪外観、称呼、観念を総合考慮して、商品等表示の類似性を否定した裁判例≫

【知的財産高等裁判所平成28年10月31日判決 平成28年(ネ)第10058号 不正競争行為差止等請求控訴事件】

【要旨】
 一般消費者は、包装用袋の形状及びレイアウトデザインの特徴、製造者又は販売者を示す標章によって、その商品の出所を識別するのが通常であり、背景の基調色が、前記の各点以上に重要な考慮要素とされているとは考え難い。外観の共通点である、背景の基調色が濃紺色であり、おおむね上部に販売元を示す標章及び商品名、中央部にポテトサラダの画像を配置している点は出所表示機能を果たすものでないかありふれたものである。

【キーワード】
 不正競争防止法2条1項1号、類似の商品等表示、混同惹起行為、不正競争、東京地方裁判所平成28年4月28日判決(平成27年(ワ)第28027号)

≪並行輸入品の輸入者が、商品を段ボール箱から取り出し透明ビニール袋へ小分けした場合において、商標権侵害を否定した裁判例≫

【東京地方裁判所平成28年11月24日判決 平成27年(ワ)第29586号 商標権等に基づく差止等請求事件】

【要旨】
 被告商品の包装袋に記載された標章は原告が付したものであって原告の登録商標と同一の出所を表示するものと認められる。また,被告商品は原告において製造されたままの状態で流通されたものであるから,被告商品の品質管理を原告が直接的に行い得ると認められる。そうすると,被告商品と原告が販売する商品とが原告の登録商標の保証する品質において実質的に差異がないということができるから,被告商品の輸入及び販売は,いわゆる真正商品の並行輸入として商標権侵害としての実質的違法性を欠く。

【キーワード】
 商標法25条、並行輸入と違法性阻却、並行輸入の抗弁、最高裁判所平成15年2月27日判決、フレッドペリー最高裁判決、商標機能論

≪比較広告が不正競争防止法2条1項14号の品質等誤認表示及び同15号の虚偽事実の陳述流布にあたるとした裁判例≫

【知的財産高等裁判所平成18年10月18日判決 平成17年(ネ)第10059号 広告差止等請求控訴事件】

【要旨】
 比較広告の根拠となる実験結果について、原告がこれと異なる解析結果を提出したときはその合理性が失われ、第三者により客観的かつ公正な再現実験を行う必要がある。本件で被告が裁判所に非協力的であり、再現実験の採用実施を断念するに至った経緯からすれば、比較広告の根拠となる実験結果に合理性はなく、不正競争防止法2条1項14号の品質等誤認表示及び同15号の虚偽事実の陳述流布にあたる。

【キーワード】
 比較広告、不正競争防止法2条1項15号、信用毀損行為、東京地方裁判所平成16年10月20日判決、キシリトール、ポスカム。

≪物品の売買に関する基本契約で定められた特許保証条項が問題となった事案≫

【知的財産高等裁判所平成27年12月24日判決(平成27年(ネ)第10069号 売買代金請求控訴事件)】

【キーワード】
特許保証

≪不織布及び不織布製造方法事件≫

【平成27年(ワ)第9891号事件(東京地裁H28・12・16)】

【判旨】
 不織布及び不織布製造方法に関する特許を揺する原告が被告製品を製造販売している被告らに対して差止等を請求したが,当該請求が,認められなかった事件。

【キーワード】
不織布及び不織布製造方法,圧縮メラミン系樹脂発泡体,「柔軟な」の文言解釈

≪主成分及び効能・効果が同じ医薬品の先行処分に基づく特許権の存続期間延長登録がなされていたにも拘わらず、後行処分に基づく特許権の存続期間延長登録が認められた事例≫

【最高裁判所平成27年11月17日判決 平成26年(行ヒ)第356号 審決取消請求事件】

【キーワード】
 アバスチン、大合議、存続期間、延長登録、先行処分、用法用量、ベバシズマブ、67条の3第1項第1号

≪会社間で業務の引受けを行う際に、顧客情報の開示手続きをしていないことを理由に、顧客情報の開示が不正競争に該当するとした裁判例≫

【知的財産高等裁判所平成27年2月19日判決 平成25年(ネ)第10095号 損害賠償請求控訴事件】

【要旨】
 XがYへ事業譲渡するのではなく、Xの資産をYが引き継ぎ、Xの従業員をYが再雇用する方法により、事実上業務の引受を行った場合においては、顧客情報の明示的な開示手続を経ない限り、Xの従業員(後にYに就職)による顧客情報の開示行為は、不正競争に該当する。

【キーワード】
 不正競争防止法2条6項、不正競争防止法2条1項9号、営業秘密、不正開示行為、悪意、東京地方裁判所平成25年10月17日判決。

≪課題が共通しない場合であっても組合せの動機付けを認めて容易想到とした裁判例≫

【知的財産高等裁判所平成27年6月24日判決 平成26年(行ケ)第10220号 審決取消請求事件】

【要旨】
 引用文献1記載発明の技術的課題が、タッチパネルにおける指脂の付着を防止して、快適な入力環境を提供することにあるのに対し、引用文献2記載発明の技術的課題は、電子機器の小さなキーを容易かつ確実に押すことができるようにすることにあるという点で、両発明の直接の技術的課題は相違するものの、いずれも、指に装着した突起形状の部材を、タッチパネルに接触させて操作を行う(引用文献1記載発明)、あるいはキー操作を行う(引用文献2記載発明)という点で、その作用や機能が共通ないし類似する。物品や器具について、構造の簡略化や部品点数の削減を図ることは、普遍的かつ一般的な技術的課題である。そうすると、引用文献1記載発明の入力補助具の装着部の構成について、引用文献2記載発明の構成を採用することは、当業者において容易に想到し得る。

【キーワード】
 特許法29条2項、進歩性、構成の組合せ、動機付け、課題の共通性。

≪A case regarding the “reasonable value” of the right to obtain patents for work made for hire≫

【Heisei 18 (2006) October 17, Supreme Court】

【key-words】
 Work made for hire, transfer of work made for hire, right to obtain patents, governing law

≪第5要件に該当するとして均等侵害の成立を否定した裁判例≫

【知的財産高等裁判所平成28年6月29日判決 平成28年(ネ)第10017号 損害賠償請求控訴事件】

【判旨】
 Xは、出願時に、特許庁からの拒絶理由通知に対して提出した意見書において、引用文献に記載された発明における「注文情報」には「商品識別情報」が含まれていないという点との相違を明らかにするために、本件発明の「注文情報」は、商品識別情報等を含んだ商品ごとの情報である旨繰り返し説明した。そうすると、Xは、ユーザが所望する商品の注文のための表示制御過程に関する具体的な構成において、Web-POSサーバ・システムが取得する情報に商品基礎情報を含めない構成については、本件発明の技術的範囲に属しないことを承認したもの、又は外形的にそのように解されるような行動をとったものと評価することができる。
 そして、本件ECサイトの制御方法において、サーバが取得する情報には商品基礎情報は含まれていないから、同制御方法は、本件発明の特許出願手続において、特許請求の範囲から意識的に除外されたものということができる。
 したがって、均等の第5要件の充足は、これを認めることができない。

【キーワード】
 均等論、第5要件、東京地方裁判所平成28年1月14日判決、最高裁判所平成10年2月24日判決、ボールスプライン事件最高裁判決、特許法70条

≪102条1項により損害額を計算する場合において、「特許権者・・・がその侵害の行為がなければ販売することができた物の単位数量当たりの利益の額」の算出にあたり、X製品とY製品との価格差が1.8倍程度あったとしても、同項ただし書等による控除を行わなかった裁判例≫

【知的財産高等裁判所平成28年6月1日判決 平成27年(ネ)第10091号 特許権侵害行為差止等請求控訴事件】

【判旨】
 特許権者等が「侵害行為がなければ販売することができた物」とは、侵害行為によってその販売数量に影響を受ける特許権者等の製品、すなわち、侵害品と市場において競合関係に立つ特許権者等の製品であれば足りると解すべきである。
 Yは、X製品の価格は、Y製品の価格に比べ高額である旨主張する。平成22年11月29日から平成26年3月28日までの間に、Xが受注したX製品14台の1台当たりの平均額は約645万円であったこと、Y製品の販売価格は、350万円程度であることが認められる。しかし、対象製品が破袋機という一般消費者ではなく事業者等の法人を需要者とする製品であり、また、その耐用期間も少なくとも数年間に及ぶものであることに照らすと、上記の程度の価格差があるからといって、直ちにX製品とY製品の市場の同一性が失われるということはできない。

【キーワード】
 102条1項、損害論、推定の覆滅、大阪地方裁判所平成27年5月28日判決

≪均等侵害の成立を認めた裁判例≫

【知的財産高等裁判所平成18年9月25日判決 平成17年(ネ)第10047号 特許権侵害差止等請求控訴事件】

【判旨】
均等の第5要件において、対象製品に係る構成が、特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたというには、特許権者が、出願手続において、当該対象製品に係る構成が特許請求の範囲に含まれないことを自認し、あるいは補正や訂正により当該構成を特許請求の範囲から除外するなど、当該対象製品に係る構成を明確に認識し、これを特許請求の範囲から除外したと外形的に評価し得る行動がとられていることを要すると解すべきである。

【キーワード】
椅子式マッサージ機事件、均等論、均等侵害、ボールスプライン事件最高裁判決、東京地方裁判所平成15年3月26日判決、特許法70条

≪婦人服の形態について,実質的同一性が肯定された事例≫

【東京地裁平成27年7月16日・平成25年(ワ)第28365号】

【キーワード】不正競争防止法2条1項3号,服,形態模倣,実質的同一性,依拠性

≪香水瓶の立体的形状について,商標登録を認めなかった事例≫

【知財高裁平成23年4月21日・平22年(行ケ)10386号】

【キーワード】
立体商標,香水瓶,L’EAU D’ISSEY,ローディッセイ,ISSEY MIYAKE,三宅一生,第3条1項3号,3条2項,4条1項18号

≪原告が,商標登録無効審判請求に対する審決のうち無効成立部分の取消しを求めた事案において,原告の,無効理由判断基準時及び商標法に該当するとして特許庁が引用した商標の適格性について誤りがあるという主張を斥けた事例≫

【平成28年1月13日判決(知財高裁平成27年(行ケ)第10096号)】

【キーワード】商標法4条1項11号,無効理由の判断基準時,引用商標の適格性

≪特許請求の範囲に記載された一般式で表される化合物からなる薄膜のうちの一部について製造することが困難であることが知られていたから実施可能要件を満たさないとして審決が取り消された事例≫

【知財高裁平成28年10月12日判決・平成27年(行ケ)第10176号 審決取消請求事件】

【キーワード】実施可能要件、特許法36条4項1号

≪商標法4条1項10号の無効理由が存在するとした審決に関し、引用商標の周知性が認められないとして、同審決を取り消した事例≫

【平成27年12月24日(知財高裁平成27年(行ケ)第10084号)】

【判旨】
商標法4条1項10号の無効理由が存在するとした審決に関し、引用商標の周知性が認められないとして、同審決を取り消した。

【キーワード】
商標法4条1項10号、商標法47条

≪香水瓶の立体的形状について,商標登録を認めなかった事例≫

【知財高裁平成23年4月21日・平22年(行ケ)10406号】

【キーワード】立体商標,香水瓶,JEAN PAUL GAULTIER,ジャンポール・ゴルチエ,JEAN PAUL GAULTIER“Le Mâle”,ジャンポール・ゴルチエ「ルマル,Flacon Le Mâle,フラコンルマル,第3条1項3号,3条2項,4条1項18号

≪減塩醤油のパラメータ発明に係る特許がサポート要件違反であるとして特許無効審判不成立審決を取り消した事例≫

【知財高裁平成28年10月19日判決・平成26年(行ケ)第10155号 審決取消請求事件】

【キーワード】パラメータ発明、サポート要件、フリバンセリン、偏光フィルム、大合議判決、知財高判平成17年11月11日 平成17年(行ケ)10042号

≪不正競争防止法2条1項1号及び2号における類似性について判断された事例≫

【東京地方裁判所平成27年11月13日判決(東京地裁平成27年(ワ)第27号)】

【要旨】
原告表示と被告表示とを比較した場合、取引の実情のもとにおいて、取引者又は需要者が両表示の外観、称呼又は観念に基づく印象、記憶、連想等から両表示を全体的に類似のものとして受け取るおそれがあるとまではいえないなどとして、請求を棄却した。

【キーワード】
不正競争防止法2条1項1号、不正競争防止法2条1項2号、類似性の判断基準

≪「遊戯用器具の表示器」の部分意匠について創作非容易であると判断された事例≫

【知的財産高等裁判所平成27年7月9日判決(知財高裁27(行ケ)10004)】

【要旨】
原告は,遊戯用器具の表示器に関する本件部分意匠の意匠登録無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟を提起し,創作容易性(意匠法3条2項)の認定判断の適否を争ったが,請求棄却判決がされた。

【キーワード】
意匠法3条2項,創作非容易性,寄せ集め,部分意匠

≪商標法26条1項2号及び6号の適用が肯定された事例≫

【知的財産高等裁判所平成27年7月16日判決(知財高裁26(ネ)第10098号)】

【要旨】
 登録商標「PITAVA」の商標権侵害差止請求事件の控訴審において,商標法26条1項2号及び6号が適用され,商標権の効力は及ばないとして,請求が棄却された。

【キーワード】
商標法26条1項2号,商標法26条1項6号,商標権の効力が及ばない範囲,商標的使用,品質表示

≪特許権者が特許請求の範囲の記載を補正によって上位概念化したことにつき、新たな技術的事項を導入するもので特許法17条の2第3項に違反するとした裁判例≫

【知的財産高等裁判所平成27年3月11日判決 平成25年(行ケ)10330号 審決取消請求事件】

【判旨】
「内歯揺動型内接噛合遊星歯車装置」を「揺動型遊星歯車装置」とすることで、本件特許に「外歯揺動型遊星歯車装置」をも含ませる補正が行われた場合において、本件技術を外歯揺動型遊星歯車装置に直ちに適用できるということはできないから、当該補正は新たな技術的事項を導入するものであると認められ、特許法17条の2第3項に違反する。

【キーワード】
特許法17条の2、補正、新規事項追加の禁止、新たな技術的事項

≪給水パイプに係る商品の形態の商品等表示性が否定された事例、営業誹謗行為が認められた事例≫

【平成27年12月10日判決 (東京地方裁判所 平成27年(ワ)第2587号、平成27年(ワ)第7096号)】

【要旨】
(第1事件)吸水パイプに係る原告各製品を販売する原告が、同様の吸水パイプである被告各製品を販売する被告に対し、不正競争防止法2条1項1号所定の不正競争に該当することを理由に、被告各製品の譲渡等の差止め及び廃棄並びに損害賠償を求めた事案に関し、原告各製品の形態は、それなりの独自性を有するということができるが、需要者の間においてその出所を表示するものとして認識されていたとは認められないから、商品等表示に当たるということはできないとして、原告の請求を棄却した。
(第2事件)被告が、原告が多数の小売店等に対し被告各製品の販売が不正競争に当たる旨の文書を送付した行為が虚偽事実の告知として同法2条1項14号所定の不正競争に当たることを理由に、上記事実の告知等の差止め及び損害賠償を求めた事案において、原告による本件文書の送付は同法2条1項14号の不正競争に該当すると認められるなどとして、被告の第2事件請求の一部を認容した。

【キーワード】
2条1項1号、周知表示混同惹起、商品形態、商品等表示、識別力、周知性、2条1項15号、虚偽告知、信用棄損、営業誹謗

≪モデルを撮影した写真に関し、写真の著作物性が肯定され、カメラマンの単独著作物であることが認定された事例≫

【平成27年12月9日判決 (東京地裁平成27年(ワ)第14747号)】

【要旨】
著作権侵害に基づく損害賠償請求事件において、原告各写真は、被写体の組み合わせや配置、構図やカメラアングル、光線・印影、背景の設定や選択等に独自性が表れているということができ、これらは原告各写真を撮影したカメラマンにより創作されたものであると認められ、被告がこれらの写真を原告に無断で被告雑誌に掲載した行為は、原告の著作権を侵害するものであるなどとして、原告の請求を認容した事例。

【キーワード】
写真の著作物性、著作者、共同著作物、カメラマン(写真家)、ヘアドレッサー(美容師)

≪シリーズ商品に共通する形態について,商品等表示該当性が判断された事例≫

【平成28年5月24日 (大阪地判 平成26年(ワ)第12481号)】

【キーワード】
 不正競争防止法2条1項1号,形態,商品等表示,特別顕著性,周知,類似,シリーズ,RIMOWA,リモワ,スーツケース

≪控訴人の祖父の未発表・全集未収録作品から構成される本件書籍は,素材の配列において創作性を有する編集著作物に該当するが,素材の配列について,創作性を有する行為を行った者は,控訴人ではないとされた事例≫

【平成28年1月27日 (平成27年(ネ)第10022号 損害賠償等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成25年(ワ)第22541号)】

【キーワード】
著作権法2条1項2号、12条

【事案の概要】
 本件は,控訴人が,本件書籍は編集著作物であり,控訴人がその編集著作者であるところ,被控訴人による本件書籍の複製及び販売は,控訴人の有する編集著作物に係る著作権(複製権,譲渡権)及び著作者人格権(氏名表示権)を侵害する行為である旨主張して,被控訴人に対し,①著作権法112条1項に基づき,本件書籍の複製及び販売の差止め,②同条2項に基づき,本件書籍の廃棄及びその版下データの消去,③著作権及び著作者人格権侵害の不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害金238万円(印税相当額の損害38万円及び慰謝料200万円の合計額)及び遅延損害金の支払,④同法115条に基づき,編集著作者としての名誉及び声望の回復措置として謝罪広告等の掲載を求めた事案である。
 原判決は,控訴人が本件書籍の編集著作者であるとは認められないとして,控訴人の請求をいずれも棄却したため,控訴人が,原判決を不服として控訴したものである。

≪本願明細書の実施例の「(該「ポリメタクリレート」を)構成するモノマー及び該モノマー比が不明である。」として特許法第36条第4項第1号違反とした拒絶審決が維持された事例≫

【平成28年9月28日 (知財高裁 平成28年(行ケ)第10041号) 審決取消請求事件】

【はじめに】
本件は,特許請求の範囲の記載のうち,「ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤」を構成するモノマー及びそのモノマー比が不明であるとされたものである。当該「ポリ(メタ)アクリレート系粘度指数向上剤」は,本願明細書の実施例を参酌しても,なお,その化学構造が明らかではなく,対応するモノマー成分も不明であって,当業者にとって入手することができないという拒絶審決の判断が是認された。

【キーワード】
クレーム解釈,クレームの解釈,特許請求の範囲の記載の解釈,特許請求の範囲の解釈,実施可能要件

≪ひらけごま事件≫

【平成28年9月21日 (知財高裁 平成28年(行ケ)第10077号)】

【判旨】
 原告が、本件商標につき商標登録無効審判請求(一部指定商品)を成立とした審決の取消訴訟であり、当該訴訟の請求が棄却されたものである。

【キーワード】
商標の類否判断、ひらけごま、ひらけごま!、商標法4条1項11号(商標の類否)

≪発明の名称を「非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット」とする特許権に基づく権利行使が認められなかった事例≫

【平成27年9月29日(東京地裁平成25年(ワ)第3360号)
※控訴審判決である知財高裁平成28年4月13日(知財高裁平成27年(ネ)第10125号)についても適宜コメントする。】

【判旨】
 原告が、発明の名称を「非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲット」とする特許権に基づき、被告製品が本件特許発明の技術的範囲に属するものであるとして、被告に対して、被告製品の製造等の差止めと損害賠償請求を行ったが、裁判所は、本件においては被告製品が本件特許発明の技術的範囲に属するとは認められない等として、請求を棄却した(原告が控訴したが控訴審判決でも控訴棄却となった)。

【キーワード】
クレーム解釈、出願経過の参酌

≪控訴人が申し立てた書類提出命令の申立ての判断に当たり,インカメラ審理が採用された事例≫

【平成28年3月28日判決言渡 (平成27年(ネ)第10029号) 特許権に基づく損害賠償請求権不存在確認等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成24年(ワ)第11459号)】

【キーワード】
特許法70項,102条,105条1項~3項

【事案の概要】
 本件は,「FOMA」という名称の携帯電話通信サービス(被控訴人サービス)を提供する被控訴人(原告)が,本件特許権(特許第4696179号)を有する控訴人(被告)に対し,ランダムアクセスチャネル(RACH)へのアクセス制御に関する被控訴人サービスの通信網の作動方法又は通信システム(方法と併せて「被控訴人方法等」という。)を使用して上記サービスを提供した行為等は,本件特許権を侵害するものではないと主張して,不法行為に基づく損害賠償債務及び不当利得返還債務の不存在確認を求めた事案である。
 原判決は,控訴人の申立てに係る書類提出命令について,証拠調べの必要性を欠くとして却下した上で,本件方法等は,被控訴人方法等の技術的範囲に属しないとして,被控訴人の請求を認容したので,控訴人が控訴をしたものである。

≪ソフトウェア関連発明において,自然法則利用性が問題となった事案5:遊技機事件≫

【平成21年6月16日判決 (知財高裁平成20年(行ケ)第10279号) 審決取消請求事件】

【キーワード】
ソフトウェア関連発明,2条1項,29条1項柱書,自然法則の利用

【裁判官】
  中野哲弘、今井弘晃、真辺朋子

≪ソフトウェア関連発明において,自然法則利用性が問題となった事案4:旅行業向け会計処理事件≫

【平成21年5月25日判決 (知財高裁平成20年(行ケ)第10151号) 審決取消請求事件】

【キーワード】
ソフトウェア関連発明,2条1項,29条1項柱書,自然法則の利用

【裁判官】
  飯村敏明,中平健,上田洋幸

≪草刈機保護カバーの形態について,実質的同一性が否定された事例≫

【平成27年10月29日 (大阪地裁 平成25年(ワ)第11486号)】

【キーワード】
 不正競争防止法2条1項3号,形態模倣,実質的同一性,ありふれた形態,

≪発明の名称を「立体映像信号生成回路及び立体映像表示装置」とする特許について,相違点の認定に誤りがあるとして,審決が取り消された事例≫

【平成28年3月24日判決言渡 (平成27年(行ケ)第10087号) 審決取消請求事件】

【キーワード】
特許法29条2項、進歩性

【要旨】
1 本件は,発明の名称を「立体映像信号生成回路及び立体映像表示装置」とする特許に対し,原告が無効審判請求をしたが,特許庁が不成立審決をしたため,原告が不成立審決の取消しを求めた事案である。
2 本件の争点は,進歩性の判断における引用発明との相違点の認定である。本判決は、本件発明と引用発明との間において,特許庁が認定した相違点は存在しないいとした。

≪パック用シート事件≫

【H28年1月21日(東京地裁平成26年(ワ)第5210号) 損害賠償等請求事件】

【判旨】
発明の名称を「パック用シート」とする特許権を有する原告が,被告の製造,譲渡したフェイスマスクが当該発明の技術的範囲に属すると主張して,被告に対し,特許権侵害の不法行為による損害賠償請求を行ったものであり,均等侵害が認められた事案。

【キーワード】
パック用シート,均等侵害,本質的部分

≪3WAY防災キャリーバッグの形態について,実質的同一性が否定された事例≫

【平成27年11月11日(東京地裁平成26年(ワ)第25645号)】

【キーワード】
 不正競争防止法2条1項3号,形態模倣,実質的同一性,ありふれた形態,機能を確保するために不可欠な形態

≪「前記長尺裏面側シート部同士の間から,前記複数の短尺クッション材が露出している」とは,幅方向中央部周辺の短尺クッション材が粘着材にも覆われていないことを指すとされた事例≫

【平成28年8月23日(大阪地裁平成27年(ワ)第6380号) 特許権侵害差止等請求事件】

【はじめに】
本件は、特許請求の範囲の記載のうち,発明の詳細な説明における課題及び効果等を参酌し,「前記長尺裏面側シート部同士の間から,前記複数の短尺クッション材が露出している」という構成の解釈を行ったものである。

【キーワード】
クレーム解釈,クレームの解釈,特許請求の範囲の記載の解釈,特許請求の範囲の解釈

≪不正競争防止法2条1項1号により商品形態の保護が肯定された事例≫

【平成22年11月18日[子供用いす](東京地判 平成21年(ワ)第1193号 裁判所ウェブサイト】

【ポイント】
原告が不正競争2号1項1号に基づいて被告の当該商品について差止請求、損害賠償請求がなされことについて、原告の請求が肯定された事例
【キーワード】
商品形態、不正競争防止法2条1項1号、形態模倣、類似性、特定商品等表示性、混同

≪事業の中断期間が3年あったにもかかわらず、不正競争防止法2条1項1号の周知性が継続しているとされ、不正競争防止法2条1項1号により商品形態の保護が肯定された事例≫

【平成20年6月16日[シルバーアクセサリー](東京地判 平成19年(ワ)第4876号) 裁判所ウェブサイト 】

【ポイント】
原告の事業中断期間が3年あったが、原告の周知性は肯定され、原告が不正競争2号1項1号に基づいて被告の当該商品について差止請求、損害賠償請求がなされことについて、原告の請求が肯定された事例

【キーワード】
商品形態、不正競争防止法2条1項1号、形態模倣、類似性、特定商品等表示性、混同、周知性の継続、事業の中断と周知性の継続

≪不正競争防止法2条1項1号により商品形態の保護が肯定された事例≫

平成19年12月26日[針付バイブレーター] 東京地判平成18年(ワ)第27454号 裁判所ウェブサイト】

【ポイント】
原告の商品形態を模倣した被告に対し、原告が不正競争2号1項1号に基づいて被告の当該商品について差止請求、損害賠償請求がなされことについて、原告の請求が肯定された事例

【キーワード】
商品形態、不正競争防止法2条1項1号、形態模倣、類似性、特定商品等表示性、混同

≪不正競争防止法2条1項1号により商品形態の保護が肯定された事例≫

【平成20年1月11日[バッグ] 東京地決平成19年(ヨ)第22071号 裁判所ウェブサイト 】

【ポイント】
債権者が不正競争2号1項1号に基づいて債務者の当該商品について差止を求める仮処分の申立てをしたことについて、債権者の申立が認められた事例

【キーワード】
商品形態、不正競争防止法2条1項1号、形態模倣、類似性、特定商品等表示性、混同

≪衣服の形態模倣事案において,創作的価値の共通性を実質的同一性の判断において積極的に評価した事案≫

【平成19年7月17日(東京地裁 平成18年(ワ)第3772号)】

【キーワード】
 不正競争防止法2条1項3号,形態模倣,模倣品,実質的同一性,衣料品,衣服,被服,アパレル,blondy,ブロンディ,Apuweiser-riche,アプワイザーリッシェ

≪取り外し機能を有する衣服等について,商品形態の模倣(不正競争防止法2条1項3号)であるかが争われた事例≫

【平成17年2月21日(東京地裁平成16年(ワ)第12723号)
(控訴審:知財高裁平成17年11月10日・平成17(ネ)10088号)】

【キーワード】
不正競争防止法2条1項3号,形態模倣,商品形態,デザイン,模倣,実質的同一性,取り外し,機能,アパレル,衣服,被服,衣類,衣料品,服飾

≪自由に変形できる商品の「形態」の認定方法≫

【平成24年12月6日(大阪地裁平成24年(ワ)第1920号)】

【キーワード】
不正競争防止法2条1項3号,商品形態,帽子,変形,製造委託契約,模倣,不正競争防止法19条1項5号イ,3年,

≪Foxconn Interconnect Technology事件≫

【平成28年7月20日(知財高裁 平成28年(行ケ)第10062号)】

【判旨】
 本願商標に係る特許庁の不服2015-12355事件について商標法4条1項11号の判断は正当であるとして、請求を棄却した事案である。

【キーワード】
商標の類否判断、Foxconn Interconnect Technology、FIT、商標法4条1項11号

≪不正競争防止法2条1項1号により商品形態の保護が肯定された事例≫

【平成23年3月24日[角膜除去用具](知財高判平成22年(ネ)第10077号裁判所ウェブサイト】

【ポイント】
被控訴人が不正競争2号1項1号に基づいて控訴人の当該商品について差止請求、損害賠償請求がしたことについて、被控訴人の請求が肯定された事例

【キーワード】
商品形態、不正競争防止法2条1項1号、形態模倣、類似性、特定商品等表示性、混同

≪不正競争防止法2条1項3号により保護を受けるためには,商品化のみならず,商品を市場に置いたことまで必要である旨等が示された事例≫

【平成24年1月25日(東京地裁平成23年(ワ)第15964号)】

【キーワード】
 不正競争防止法2条1項3号,形態模倣,保護,始期,商品化,市場,実質的同一性,部分の模倣,部品の模倣,編みぐるみ,バッグチャーム

≪弁論準備手続における陳述と矛盾する解釈であっても,禁反言の問題が生じないと認定された事例≫

【平成27年11月12日判決(知財高裁平26(行ケ)10239号)】

【要旨】
 発明の名称を「回転角検出装置」とする本件特許について,被告による特許請求の範囲の本件訂正を認め,特許無効審判請求を不成立とした審決の取消しを求めた事案において,原告は,弁論準備手続期日において,第1次訂正後の請求項1に係る発明は,「同方向引き出し態様」を意味し,「別方向引き出し態様」を含まない旨陳述したが,特許請求の範囲及び明細書の記載は,「同方向引き出し態様」のみならず「別方向引き出し態様」をも含むと解される以上,弁論準備手続期日における陳述内容は,客観的にみて,特許請求の範囲請求項1の文言解釈として,採用することができないとして,直ちに禁反言の問題は生じないと判断された。

【キーワード】
要旨認定,禁反言,弁論準備手続の陳述,調書、サポート要件、実施可能要件

≪ピタバスタチンカルシウム原薬及び製剤の製造販売の差止請求を棄却した事例≫

【平成27年1月27日判決(東京地裁平成25年(ワ)第33993号)特許権侵害差止請求事件】

【キーワード】
 ピタバスタチンカルシウム、結晶、回折角、ピーク

≪不正競争防止法2条1項1号により商品形態の保護が肯定された事例≫

【平成20年10月14日[マスカラ容器](大阪地決 判時2048号98頁)】

【ポイント】
原告が不正競争2号1項1号に基づいて被告の販売等する商品について差止及び損害賠償を求めて訴えをしたことについて、原告の請求が認められた事例
【キーワード】
商品形態、不正競争防止法2条1項1号、形態模倣、類似性、特定商品等表示性、混同

≪民事訴訟法258条の「裁判の脱漏」とは,裁判所が,請求の一部につき判決を怠っている場合をいい,個々の主張について判断を落とした場合は,判決の脱漏に当たらないとされた事例≫

【平成28年7月20日(東京地裁平成28年(ワ)第13284号 原因判決脱漏裁判請求事件)】

【はじめに】
本件は、民事訴訟法258条の「裁判の脱漏」とは、裁判所が、請求の一部につき判決を怠っている場合をいい、個々の主張について判断を落とした場合は、判決の脱漏に当たらないと判断されたものである。

【キーワード】
裁判官の職務行為、裁判の脱漏、国賠法1条1項、国賠、国賠法、国家賠償法1条1項、国家賠償法、

≪不正競争防止法2条1項1号の商品等表示性が否定された事例≫

【平成23年10月3日[水切りざる](大阪地判平成22年(ワ)9684裁判所ウェブサイト)】

【ポイント】
被控訴人が不正競争2号1項1号に基づいて控訴人の当該商品について差止請求、損害賠償請求がしたことについて、被控訴人の請求が肯定された事例
【キーワード】
商品形態、不正競争防止法2条1項1号、形態模倣、類似性、特定商品等表示性、混同

≪総柄デニムパンツの形態にかかる実質的同一性が争われた事例≫

【平成23年4月26日(東京地裁平成21年(ワ)第26662号)】

【キーワード】
不正競争防止法2条1項3号,形態模倣,デザイン,模倣,実質的同一性,需要者,創作者,改変者,アパレル,衣服,被服,衣類,衣料品,服飾,COCOLULU,ココルル,しまむら

≪ソフトウェア関連発明において,自然法則利用性が問題となった事案3:双方向歯科治療ネットワーク事件≫

【平成20年6月24日判決 (知財高裁平成19年(行ケ)第10369号審決取消請求事件)】

【キーワード】
ソフトウェア関連発明,2条1項,29条1項柱書,自然法則の利用

【事案の概要】
 アメリカ法人である原告は,発明の名称を「双方向歯科治療ネットワーク」とする発明について国際出願(PCT/US99/22857。特願2000-579144号。以下「本願」という)をし,日本国特許庁に翻訳文を提出したが,拒絶査定を受けたため,拒絶査定不服審判請求をした(不服2005-7446号事件)ところ,本願発明1(本願の請求項1)は,「歯科医師が主体の精神活動に基づく判定,策定することを,上記「手段」と表現したものであるから,請求項1に係る発明全体をみても,自然法則を利用した技術的創作とすることはできない」との理由で拒絶審決を受けた。
 そこで,原告は,当該審決の取消を求めて知財高裁に取消訴訟を提起したところ,知財高裁は,本願発明1には「人の行為により実現される要素が含まれ」,「評価,判断等の精神活動も必要となる」ものの,「全体としてみると」「コンピュータに基づいて機能する,歯科治療を支援するための技術的手段を提供するものと理解することができる」ので,「本願発明1は,『自然法則を利用した技術的思想の創作』に当たるものということができ」るとして,請求を認容した事案。

≪ソフトウェア関連発明において,自然法則利用性が問題となった事案2:ハッシュ関数事件≫

【平成20年2月29日判決 (知財高裁平成19年(行ケ)第10239号審決取消請求事件)】

【キーワード】
ソフトウェア関連発明,2条1項,29条1項柱書,自然法則の利用

【事案の概要】
 アメリカの法人である原告は,発明の名称を「ビットの集まりの短縮表現を生成する方法」とする発明(特願平11−295775号,以下「本願」という)の発明者である。本願につき拒絶査定を受けたため,拒絶査定不服審判請求をした(不服2004−13406号事件)が,「本願発明1は,実質的には「ビットの集まりの短縮表現」を計算するための計算方法であって,それがハードウェア資源を用いて具体的に実現されているものとは認めることは出来ないので,本願発明1は,「自然法則を利用した技術的思想」に該当せず,特許法第2条に定義された「発明」に該当するものとは認められない」との理由で拒絶審決を受けた。
 そこで,原告は,当該審決の取消を求めて知財高裁に取消訴訟を提起したが,知財高裁は審決を支持し棄却した事案。

≪ソフトウェア関連発明において,自然法則利用性が問題となった事案1:ポイント管理装置事件≫

【平成18年9月26日判決 (知財高裁平成17年(行ケ)第10698号審決取消請求事件)】

【キーワード】
ソフトウェア関連発明,2条1項,29条1項柱書,自然法則の利用

【事案の概要】
  原告らは,発明の名称を「ポイント管理装置および方法」とする発明(特願2000−319884,以下「本願」という)の発明者である。本願につき拒絶査定を受けたため,拒絶査定不服審判請求をした(不服2003−5927号事件)が,「本願発明(本願の請求項11)は,自然法則を利用した技術的思想の創作とは認められないから,特許法29条柱書の「発明」に該当せず,特許を受けることができない」との理由で拒絶審決を受けた。
 そこで,原告らは,当該審決の取消を求めて知財高裁に取消訴訟を提起したが,知財高裁は審決を支持し棄却した事案。

≪片仮名とアルファベットを二段書きしてなる登録商標のうち、片仮名のみの使用が社会通念上同一の商標を使用しているとして、審決が取り消された事例≫

【平成27年9月30日判決(平成27年(行ケ)第10086号 審決取消請求事件)】

【キーワード】
 商標法50条1項、社会通念上同一

≪サクラモモイチゴ事件≫

【平成28年6月23日(知財高裁 平成28年(行ケ)第10003号)】

【判旨】
 本件商標に係る特許庁の異議2014-900023事件について商標法4条1項10号の判断は正当であるとして、請求を棄却した事案である。
【キーワード】
  商標の類否判断、周知性、商標法4条1項10号

≪指定商品を「軽自動車による輸送」とする登録商標「赤帽」と混同を生ずるおそれがある商標に当たるとして審決を取り消した事例≫

【平成27年9月15日判決(平成27年(行ケ)第10025号 審決取消請求事件】

【キーワード】
商標法4条1項15号

≪「PREMIUM」部分を含む結合商標について全体観察すべきと判断された事案≫

【平成21年7月16日(知財高裁 平成20年(ワ)4733号)】

【第1 事案の概要】
 原告は,下記本件商標「プレミアム/PREMIUM」の商標権者から専用実施権を受け,下記原告標章(ローマン体の欧文字の「PREMIUM」に,これより小さくゴシック体の欧文字の「BY VICKY」を付してなる標章。)をその販売する被服に付して,展示・販売する等している者である。
 これに対し,被告は,下記各被告商標をその販売する被服,その包装及びウェブサイトに付して,展示・販売する等している者である。
 そこで,原告が,被告に対し,本件商標の専用使用権に基づき,被告各標章の使用等の差止めと,被告各標章を付した被服等の廃棄,損害賠償として9900万円及びこれに対する平成20年4月19日から支払済みまで年5%の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

【キーワード】
 商標,類否,類似,結合商標,全体観察,分離観察,プレミアム,PREMIUM,PREMIUM BY VICKY,Premium by LAST SCENE

≪Photomaker Pro事件≫

【平成28年5月18日(知財高裁 平成27年(行ケ)第10246号)】

【判旨】
 本願商標に係る特許庁の不服2015-6668事件について商標法4条1項11号の判断は正当であるとして、請求を棄却した事案である。

【キーワード】
商標の類否判断、Photomaker Pro、商標法4条1項11号

≪布地にプリントされた「SHIPS」との文字列について,商標的使用であると判断された事例≫

【平成26年11月14日(知財高裁平成25年(ワ)第34269号)】

【第1 事案の概要】
本件は,「SHIPS」の文字を書してなる商標につき登録商標第4862594号の商標権(以下「原告商標権」といい,登録商標は下記のとおりである。)を有する両事件原告(以下,単に「原告」という。)が,①下記「SHIPS」の文字列を含むデザインを有する布地を製造・販売する被告ダイワボウテックス株式会社(以下「被告ダイワボウテックス」という。)に対して,商標法36条1項,2項に基づき,別紙被告標章目録記載の標章(以下「被告標章」という。)を布地に付すこと及び被告標章を付した布地の販売等の差止め並びに同布地の廃棄を求め(甲事件),②被告ダイワボウテックスから購入した上記布地を販売する被告株式会社Y2(以下「被告Y2」という。)に対して,同条項に基づき,同布地の販売等の差止め及び廃棄を求める(乙事件)事案である。

【キーワード】
 商標,商標的使用,意匠的使用,布地,プリント,模様,SHIPS,商標法26条1項6号

≪文言侵害及び均等侵害のいずれにも当たらないとされた事例≫

【平成27年8月25日判決言渡 平成26年(ワ)第25858号 特許権侵害差止等請求事件】

【キーワード】
特許法70条、均等侵害の第1要件

【要旨】
1 本件は,発明の名称を「ステージの背景で動く映像を表示する装置」とする特許権の専用実施権者ないし独占的通常実施権者である原告が、被告による被告装置1及び2の製造等が専用実施権等の侵害に当たると主張して、被告に対し、①特許法100条1項及び2項に基づく被告装置1及び2の製造等の差止め及び廃棄、②民法709条、特許法102条2項に基づく損害賠償金3300万円及びこれに対する不法行為の日の後(訴状送達の日)である平成26年10月9日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求める事案である。
2 本件の争点は,文言侵害及び均等侵害の成否である。本判決は、文言侵害及び均等侵害のいずれも成立しないとした。

≪不正競争防止法2条1項1号及び2号における商品等表示性及び類似性について判断された事例≫

【平成27年 9月29日判決(大阪地裁平26(ワ)8869号)】

【要旨】
 原告表示のうち「モーノポンプ」の周知性を認めたが、被告表示の「モーノマスター」及び「MOHNO MASTER」とは類似しないとして、原告の被告に対する請求はいずれも理由がないとして、請求を棄却した。

【キーワード】
不正競争防止法2条1項1号、不正競争防止法2条1項2号、商品等表示性、類似性

≪ノンフィクション小説の一部のエピソードについて,著作物性が肯定された事例≫

【平成27年9月30日判決(東京地裁平26(ワ)10089号)】

【要旨】
 本件映画の表現は,本件各著作物を翻案したものと認められるとして,被告が本件映画を製作することにより,原告の著作権(翻案権)及び著作者人格権(同一性保持権)を侵害したものと認められるなどとして,請求を一部認容した。

【キーワード】
 著作権侵害,翻案権侵害,著作者人格権侵害,同一性保持権侵害,著作物性,事実と著作物,ろ過テスト

≪「被服」を指定商品とする商標の審査段階の類否判断において,取引の実情として需要者層の相違を考慮した事案≫

【平成23年6月29日(知財高裁平成23年(行ケ)第10040号)】

【キーワード】
 商標,類似,類否,称呼,外観,取引の実情,需要者,4条1項11号,シュープ,CHOOP,Shoop

≪不正競争防止法2条1項14号(現15号)について信用棄損による無形損害として400万円の損害額が認定された事例≫

平成27年9月29日判決(東京地裁平25(ワ)30386号)

【要旨】
 原告が,原告の製品である「タタミ染めQ」に欠陥がないにもかかわらず,被告が同製品には欠陥があるなどとして苦情を申し立てるとともに,本件製品の販売店に対して本件製品及び原告自身について虚偽の内容を記載した書面を配布する行為は,競争関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知する行為であって,不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争に該当するなどとして,損害賠償に係る請求を一部認容した。

【キーワード】
 不正競争防止法2条1項14号(現15号),虚偽告知,営業誹謗,信用棄損

≪香水瓶の立体商標出願について,商標法3条2項該当性を肯定した事例≫

【平成23年4月21日(知財高裁平成22年(行ケ)第10366号)】

【キーワード】
 立体商標,商標法3条1項3号,商標法3条2項,香水瓶,ジャンポール・ゴルチエ「クラシック」

≪破産免責を受けたカラオケ装置のリース業者の代表者に対する,破産法253条1項2号にいう「悪意で加えた不法行為」に基づく損害賠償請求が認められなかった事例≫

【平成27年8月27日(大阪地裁平成27年(ワ)第9838号)】

【判旨】
 原告が,原告が管理する著作物の著作権侵害を理由に,破産免責を受けた,カラオケ装置のリース業者の代表者であった被告(個人)に対して,破産法253条1項2号にいう「悪意で加えた不法行為」に基づく損害賠償請求であると主張して損害賠償請求を行ったが,裁判所は,本件においては被告が「悪意で加えた不法行為」をしたものと認めることはできないとし,上記原告の請求を棄却した。

【キーワード】
カラオケ,リース業者,条理上の注意義務,破産法253条1項2号,悪意で加えた不法行為

≪意匠権侵害訴訟において、2件の意匠権のうち1件を侵害とし、もう1件を非侵害とした裁判例≫

【平成27年2月26日判決(東京地方裁判所 平成24年(ワ)33752号) 意匠権侵害差止等請求事件】

【判旨】
 本件意匠1と被告意匠とでは、透明ガラス板の形状に大きな差異があり、透明ガラス板に配置された電極部分やスイッチ模様の具体的形状の差異等の差異も併せれば、看者に対し異なる美感を与えるから類似していない。
 本件意匠2と被告意匠とでは、透明ガラス板の縦横比の差異は極めて小さく、また、被告意匠には、液晶表示窓の周囲にある縁取模様があることが認められるが、さほど大きいものではなく、目立つ色彩でもない。さらに、電極部分の幅と長さの比やスイッチ模様の個数に差異があるが、これらは、透明ガラス板の形状がほぼ同じであることから看者に対して与える共通の美感を凌駕するものとはいえないから、本件意匠2と被告意匠は類似している。

【キーワード】
 意匠法、意匠権侵害、意匠の類否、意匠法23条、意匠法37条、FitScan

≪発明の名称を「地盤強化工法」とする特許権に基づく「免震人工地盤」に対する権利行使が認められなかった事例≫

【平成27年10月14日(東京地裁平成27年(ワ)第14339号)】

【判旨】
 原告が,発明の名称を「地盤強化工法」とする特許権についての専用実施権に基づき,市営団地の敷地内に施工された「免震人工地盤」が本件特許発明の技術的範囲に属するものであるとして,市営団地を賃貸して賃料収入を得てきた被告に対して不法行為等に基づく損害賠償請求を行ったが,裁判所は,本件においては当該「免震人工地盤」が本件特許発明の技術的範囲に属するとは認められないとして、請求を棄却した。

【キーワード】
特許法2条3項

≪特許出願中のライセンス契約において、ライセンサーが出願中に補正を行い、クレームが減縮されたことについて、ライセンサーが相手方に対し信義則上の通知義務を負わないとした裁判例≫

【平成21年4月7日判決(大阪地方裁判所 平成18年(ワ)第11429号) 特許権侵害差止等請求事件】

【判旨】
特許の出願段階で締結された実施許諾契約において、許諾者たる特許権者から、相手方に対して、補正により特許請求の範囲が減縮されたことに関する通知を行うことの明示又は黙示の合意がないときに、信義則上の通知義務として、相手方からの問合せの有無にかかわらず、許諾者たる特許権者から積極的にこれを通知すべき義務を負わせることはできない。

【キーワード】
放熱シート事件、特許法34条の3、仮通常実施権、ライセンス契約、特許請求の範囲の補正、減縮、知的財産高等裁判所平成22年3月31日判決平成21年(ネ)第10033号

≪メロンまるごとクリームソーダ事件≫

【平成28年4月14日 (知財高裁 平成27年(行ケ)第10232号)】

【判旨】
 本願商標に係る特許庁の不服2015-7941事件について商標法3条1項3号の判断は正当であるとして、原告の請求を棄却した事案である。

【キーワード】
 自他商品の識別能力、メロンまるごとクリームソーダ、商標法3条1項3号

≪指定商品を「時計」等とする登録商標「フランク三浦」は、同じく指定商品を「時計」等とする「フランク ミュラー」と類似しないとされた事例≫

【平成28年4月12日判決(知財高裁 平成27年(行ケ)第10219号)】

【キーワード】
商標法4条1項10号、11号、15号、19号

≪システム関連特許において,データの構造,関連付けを根拠に審決が取り消された事件≫

【平成27年11月30日判決(知財高裁 平成27年(行ケ)第10093号)】

【キーワード】
システム,プログラム,ソフトウェア,進歩性,相違点,29条2項

≪スティック型加湿器について,不正競争防止法2条1項3号で保護される「商品」該当性が否定された事例≫

【平成28年1月14日(東京地裁平成27年(ワ)第7033号)】

【キーワード】
 不正競争防止法2条1項3号,19条1項5号イ,形態模倣,保護,始期,サンプル,展示会,スティック型加湿器

≪指定商品を第29類「加工水産物,食用魚介類(生きているものを除く。)」とする「雪中熟成」という標準文字からなる商標について,商標法3条1項3号に該当するとされた事例≫

【平成27年9月17日判決(知財高裁 平成27年(行ケ)第10085号)】

【キーワード】
商標法3条1項3号

【事案の概要】
原告は,「雪中熟成」の文字を標準文字で表してなり,第29類「加工水産物,食用魚介類(生きているものを除く。)」を指定商品とする本願商標について,拒絶査定を受け,これに対する不服の審判請求をした。特許庁は,本願商標は,商標法3条1項3号に該当するとの理由で,不服不成立審決をした。本件は,原告が本件審決の取消しを求める事案である。

≪チャッカマン事件≫

【平成28年3月23日(知財高裁 平成27年(行ケ)第10174号)】チャッカマン事件

【判旨】
 原告が、本件商標につき商標登録無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟であり、当該訴訟の請求が棄却されたものである。

【キーワード】
 商標の類否判断、チャッカマン、チャッカボー、商標法4条1項15号(混同のおそれ)、同項10号(商標の類否)

≪グラブ浚渫施工管理プログラム事件≫

【平成19年7月26日(大阪地裁 平成16年(ワ)第11546号

【キーワード】
プログラム,著作権,翻訳,二次的著作物,著作物性,創作性,職務著作,共同著作

【ポイント】
•    ソフトウェア開発委託契約において,契約書にプログラムの著作権の帰属が明記されていない場合に,その帰属について,報酬額に著作物の経済的価値が含まれているか,という判断基準を用いた。
•    プログラムの著作物については,OSやプログラム言語を異なるものに変換したからといって,直ちに「翻訳」にあたるとはいえず,新たな創作性が付加されたかを判断すべきとした。

≪特許法2条1項所定の「発明」に該当しないとされた事例≫

【平成28年2月24日判決(平成27年(行ケ)第10130号) 審決取消請求事件】
口頭弁論終結日 平成28年2月3日

【キーワード】
特許法2条1項,29条1項柱書


【要旨】
1 本件は,原告が,発明の名称を「省エネ行動シート」とする発明について特許出願をしたところ,拒絶査定を受け,これに対して不服の審判を請求し,併せて本件補正により特許請求の範囲を補正したが(本願発明),不成立審決を受けたことから,その取消しを求めた事案である。
2 本件の争点は,発明該当性である。本件判決は,請求項に記載された特許を受けようとする発明が,そこに何らかの技術的思想が提示されているとしても,その技術的意義に照らし,全体として考察した結果,その課題解決に当たって,専ら,人の精神活動,意思決定,抽象的な概念や人為的な取決めそれ自体に向けられ,自然法則を利用したものといえない場合には,同法2条1項所定の「発明」に該当するとはいえないとした。

≪皇朝事件≫

【平成28年2月26日(東京地裁平成26年(ワ)第11616号】

【判旨】
 原告各商標権を有する原告が、被告各標章を用いている被告に対して、差止め等の請求を行ったところ、当該標章は、原告各商標権に係る標章に類似していないと判断した。

【キーワード】
 商標の類否判断、皇朝、商標法38条3項

≪所謂「ピクトグラム」からなる案内表示について,著作物性が肯定された事案≫

【平成27年9月24日判決(大阪地裁 平成25年(ワ)第1074号)】

【判旨】
原告が,ピクトグラム及び地図デザインの著作権者であるとして,被告ら(被告大阪市を含む)に対し,使用許諾契約満了による原状回復義務として本件ピクトグラムの抹消・消除,不法行為(著作権侵害等)による損害賠償,報酬支払請求(被告市に対する)等を求めた事案。裁判所は,商人である原告が,本件ピクトグラムの修正という営業範囲内の行為を行ったことから,その修正依頼を行った者である被告(大阪市)は報酬支払義務を負うとして,相当額の金員の支払いを命じたが,その余の請求は,いずれも理由がないとして棄却した。

【キーワード】
著作権法2条1項1号,同2条2項,同10条1項4号,著作物性,創作性,応用美術

≪サポート要件違反及び進歩性違反の有無が争われた事例―生海苔異物分離除去装置における生海苔の共回り防止装置事件―≫

【平成27年7月16日判決(知財高裁平成26年(行ケ)10223号)】

【判旨】
サポート要件違反の有無について、明細書の記載を参酌した上で、違反はないと判断された。進歩性違反の有無について、主引例に課題が記載されていないことから、副引例を適用する動機付けがなく、違反はないと判断された。

【キーワード】
サポート要件違反、36条6項1号、進歩性違反、29条2項、生海苔異物分離除去装置

≪オキサリプラチン製剤の製造販売の差止めを認めた事例≫

【平成28年(ワ)3月3日(東京地裁判決平成27年(ワ)第12416号)特許権侵害差止請求事件】

【キーワード】
包含、添加、特許法70条1項、70条2項、再現試験、再現実験、追試、広義の刊行物記載発明

≪商標「ネットワークおまかせサポート」は、指定役務の質の表示にあたることから、3条1項3号に該当し、登録が認められないと判断された事例≫

【平成26年8月6日判決(知財高裁 平成26年(行ケ)第10056号)】

【判旨】
商標「ネットワークおまかせサポート」の第37類「事務用機械器具等の修理又は保守」等を指定役務とする商標登録出願に対する,拒絶審決取消訴訟において、裁判所は,本願商標は,商標法3条1項3号の商標登録の要件を欠くとして,請求を棄却した。

【キーワード】
商標法3条1項3号、自他商品等識別力、品質表示、間接的表示

≪「食品類を内包した白カビチーズ製品及びその製造方法」とする特許権に基づく損害賠償請求について、充足性が否定された事例≫

【平成25年11月26日判決(東京地裁 平成24年(ワ)3374号)】1

【判旨】
原告は、発明の名称を「食品類を内包した白カビチーズ製品及びその製造方法」とする特許権に基づき損害賠償請求をしたが、被告製品及びその製造方法は、特許発明の技術的範囲に属しないと解すべきであるとされた。

【キーワード】
充足論、特許発明の技術的範囲、特許請求の範囲基準の原則、明細書参酌の原則、特許法70条、白カビチーズ

≪ソースコードの証拠提出がないにもかかわらず,プログラムの著作権侵害が肯定された事例≫

【平成26年8月27日判決(知財高裁 平成25年(ネ)第10085号)】

【ポイント】
著作権侵害をしたとされるソフトウェア(本件ソフトウェア部品)と,被侵害ソフトウェア(先行ソフトウェア部品)について,どちらのソースコードも証拠提出がなされなかったにもかかわらず,先行ソフトウェア部品の著作物性を認定した上で,複製または翻案にあたるかを検討し,「本件ソフトウェア部品は,先行ソフトウェア部品の少なくとも一部を複製又は翻案したものを含む」と認定し,著作権侵害を認めた事案。

【キーワード】
プログラム,ソースコード,著作権,著作物性,複製,翻案

≪不使用商標に基づく差止請求権の行使が権利の濫用にあたるとされた事例≫

【平成27年11月13日判決(東京地裁 平成27年(ワ)第27号)

【判旨】
原告が、被告に対し、原告商標権に基づいて被告各標章の使用の差止めを求めるとともに、被告各標章を付した商品の廃棄等を求めることは、権利の濫用に当たり、許されない。

【キーワード】
商標権侵害、商標権の行使の濫用、権利濫用、民法1条3項、不使用

≪メタタグ,タイトルタグでの商標の使用が商標的使用にあたると判断された事例≫

【平成27年1月29日(東京地判第2249号86項)】

【キーワード】
商標的使用,メタタグ,タイトルタグ

【判旨】
Y各標章は、htmlファイルにメタタグないしタイトルタグとして記載された結果、検索エンジンの検索結果において、Yサイトの内容の説明文ないし概要やホームページタイトルとして表示され、これらがYサイトにおける家具等の小売業務の出所等を表示し、インターネットユーザーの目に触れることにより、顧客がYサイトにアクセスするよう誘引するのであるから、メタタグないしタイトルタグとしての使用は、商標的使用に当たるということができる。

≪ROYAL FLAG事件≫

【平成28年1月20日(知財高裁平成27年(行ケ)第10159号)】

【判旨】
本願商標に係る特許庁の不服2014-25616事件について商標法4条1項11号の判断を誤ったことを理由として、取り消した事案である。

【キーワード】
商標の類否判断、ROYAL FLAG、商標法4条1項11号

≪出店者が出店する商品につきモール提供者(ウェブページ運営者)に対する販売差止が否定された事例≫

【平成27年10月8日判決(知財高裁平成27年(ネ)第10097号)】
 (原審・東京地方裁判所平成26年(ワ)第23512号)

【キーワード】
特許権侵害、差止請求

≪訂正発明1は,課題を認識し得ない構成を含むものであり,発明の課題解決を当業者が認識できる範囲を超え,サポート要件違反とされた裁判例≫

【平成27年11月24日判決(知財高判平成27年(行ケ)第10026号)】

【判旨】
当業者は,訂正発明1に係る特許請求の範囲の記載から,いかなる場合において課題に直面するかを理解できないのであり,したがって,特許請求の範囲に記載された発明は,発明の詳細な説明の記載等や,出願当時の技術常識に照らしても,当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲を超えたものである。

【キーワード】
特許法36条6項1号,サポート要件,審決取消訴訟,知財高裁2部判決

≪グリセロールからジクロロプロパノールを製造するための方法であって,該グリセロールが最終的にバイオディーゼルの製造における動物性脂肪の転化から生じる方法≫

【平成26年9月11日判決(東京地裁平成25年(ワ)第27293号)】

【ポイント】
製法特許の権利行使において,製造工程が立証不十分であるとされた事例。

【キーワード】
物の製造方法、製法特許、製造方法の立証

≪本願商標(肉ソムリエ)は,指定役務との関係で商標法3条1項3号に該当する商標であるとの審決の判断に誤りはないとされた裁判例≫

【平成27年11月30日判決(知財高判平成27年(行ケ)第10152号)】

【判旨】
本願商標は,本件審決日の当時において,本願指定役務との関係で商標法3条1項3号に該当する商標であったと認められるから,これと同旨の審決の判断に誤りはなく,原告の主張する取消事由は理由がない。

【キーワード】
商標法3条1項3号,審決取消訴訟,知財高裁3部判決

≪原告は,発明の特徴的部分の完成に創作的に寄与したとはいえないから,本件発明1-1を単独で発明した者とも,被告の従業員らと共同して発明したものであるとも認められない。≫

【平成27年10月30日判決(知財高判平成25年(ワ)第32394号)】

【判旨】
原告は,本件各発明を単独で発明した者とも,被告の従業員らと共同して発明した者であるとも認められないから,その余の争点について検討するまでもなく,本件請求は理由がないというべきである。

【キーワード】
発明者,特許を受ける権利,東京地裁民事第29部判決

≪控訴審での追加実験を含めてもなお構成要件充足性の立証が足りないとされた事例≫

【平成27年5月27日(知財高裁判決 平成26年(ネ)第10058号)
 (原審・大阪地方裁判所平成25年(ワ)第3742号)】

【キーワード】
実験、構成要件充足性、立証

≪数値限定発明において進歩性を肯定した裁判例≫、≪既販売品に加工を施して侵害品とする場合と、新規に侵害品を販売する場合との間で、102条1項の損害額の推定の覆滅率に差をつけた裁判例≫

【平成27年11月19日(知的財産高等裁判所平成25年(ネ)第10051号)】特許権侵害行為差止等請求控訴事件

【判旨】
主引用例である東日印刷版胴(表面粗さを2.47~4.02μmとした版胴)には、版ずれトラブルの防止という課題や版と版胴のズレが版の裏面と版胴の表面との摩擦係数に影響されるとの知見は存せず、また、副引用例である乙29文献にも、版ずれを防止するために版胴の表面粗さを調整するという技術的思想は存しないから、東日印刷版胴に、版ずれトラブル防止のために、乙29文献に記載された発明を組み合わせる動機付けがあるとは認められない。
さらに、仮に、当業者において、東日印刷版胴に乙29文献に記載された発明の適用を試みたとしても、乙29文献に記載された発明(裏面の粗さを20μm以上とした印刷版用基材)は平版印刷版用基材の裏面の表面粗さを調整する発明にすぎないから、東日印刷版胴の表面粗さをより粗に(大きな数値に)調整することにはならない。
以上によれば、本件訂正発明2(表面粗さを6.0μm~100μmとした版胴)は、東日印刷版胴に乙29文献に記載された発明を組み合わせることによって、容易に発明をすることができたものであるとは認められない。

【キーワード】
東京地方裁判所平成23年(ワ)第21311号平成25年4月26日判決、特許法29条2項、進歩性、数値限定発明、訂正審判、減縮、特許法102条1項、販売することができないとする事情、推定の覆滅、損害論

≪商標的使用≫

【平成27年7月23日(知財高裁判決平成26年(ネ)10138号】

1 事案の概要(知財高裁Webサイトより引用)
本件は,指定商品を「ピタバスタチンカルシウムを含有する薬剤」とする「PITAVA」(標準文字)との本件商標(商標第 4942833 号の 2)を有する控訴人(一審原告)が,被控訴人(一審被告)に対し,被控訴人が被控訴人標章(『ピタバスタチン』又は『ピタバスタチンカルシウム』,あるいはこれを略記した『ピタバ』)を被控訴人商品のPTP包装に付したことが,本件商標権を侵害するとして,本件商標権に基づいて,被控訴人標章を付した薬剤の販売差止めとその廃棄を求めた事案である。

2 キーワード
商標的使用

≪結合商標に関する侵害が否定された事例≫

【平成27年11月5日(知財高判平成27年(ネ)第10037号)】

【判旨】
X商標のうち,下段の「湯~とぴあ」の部分は,入浴施設の提供という指定役務との関係では,自他役務の識別力が弱いというべきであるから,取引者又は需要者をして役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるということはできず,この「湯~とぴあ」の部分だけを抽出して,Y標章と比較して類否を判断することは相当ではない。

【キーワード】
結合商標,商標の類否,湯ートピア

≪ノンフィクション小説の創作性,保護範囲≫

【平成27年2月25日(東京地裁 平成25年(ワ)第15362号)】

【判旨】
ノンフィクション小説を参考に制作された5つのテレビ番組について,それぞれ1シーンずつノンフィクション小説についての著作権侵害を肯定。

【キーワード】
ノンフィクション、創作性、類似性、本質的特徴、比喩

≪特許法101条2号の不可欠要件が争われた事例 ―糖尿病または糖尿病性合併症の予防・治療用医薬事件―≫

【平成25年8月28日(東京地判平成23年(ワ)第19435号)】

【ポイント】
被告の製造販売するピオグリタゾン製剤について,特許法101条2号に規定する「その発明による課題の解決に不可欠なもの」との要件(以下,「不可欠要件」という。)の該当性が争われた事例において,ピオグリタゾン製剤である被告ら各製剤は,それ自体では,従来技術の問題点を解決するための方法として,本件各発明が新たに開示する,従来技術に見られない特徴的技術手段について,当該手段を特徴付けている特有の構成ないし成分を直接もたらすものに当たるということはできないから,本件各発明の課題の解決に不可欠なものであるとは認められないとして,不可欠要件の該当性を否定し,間接侵害の成立を否定した例

【キーワード】
間接侵害,技術的範囲の属否,不可欠要件

≪過大な差止請求事例≫

【平成27年11月12日(知財高裁判決平成27年(ネ)第10048号)等】

1 事案の概要 (知財高裁ウェブサイトより引用)
  本件は,発明の名称を「生海苔異物分離除去装置における生海苔の共回り防止装置」とする発明に係る特許権を有するXが,被告装置並びにその部品である本件固定リング及び本件板状部材(総称して被告製品)を製造,販売,輸出又は販売の申出をする行為は本件特許権を侵害する行為であり,さらに,本件各メンテナンス行為も本件特許権を侵害する行為であると主張して,Yに対し,①特許法100条1項に基づき,被告製品の製造,販売,輸出又は販売の申出及び本件各メンテナンス行為の差止めを求めるとともに,②同条2項に基づき被告製品の廃棄を求め,③特許権侵害の不法行為による損害賠償請求権又は無償実施による不当利得返還請求権に基づき,2億3000万円(一部請求)の支払を求めた事案である。

2 キーワード
差止請求権,過大な請求,幇助行為

≪特許法100条1項所定の「特許権を侵害する者又は侵害するおそれのある者」に,特許権侵害の教唆,幇助した者は含まれない。≫

【平成27年10月8日(平成27年(ネ)第10097号) 差止請求控訴事件】
(原審・東京地方裁判所平成26年(ワ)第23512号)

【要旨】
1 本件は,控訴人において,被控訴人が原判決別紙差止対象製品目録(以下「差止目録」という。)記載の各製品(被告製品)を製造,販売,輸出して控訴人の特許権(本件特許権)を侵害している旨主張し,被控訴人に対し,特許法100条1項に基づき,上記製造,販売,輸出の差止めを求めた事案である。
2  原判決は,被告製品が本件特許権の請求項1に係る発明(本件発明)の技術的範囲に属すると認めることはできないとして,控訴人の請求を棄却した。控訴人は,原判決を不服として,控訴を提起した。

【キーワード】
特許法100条1項

≪キャッチフレーズに関する法的保護が否定された事例≫

平成27年11月10日(知財高判平成27年(ネ)第10049号)】

【判旨】
①    「音楽を聞くように英語を聞き流すだけ 英語がどんどん好きになる」等というキャッチフレーズは、平凡か
   つありふれた表現であるから、著作物とは認められない。

②    キャッチフレーズが 商品等表示としての営業表示に該当するためには,長期間にわたる使用や広告,宣
   伝等によって,当該文言が特定人の営業を表示するものとして需要者の間に広く認識され,自他識別機
   能ないし出所表示機能を獲得するに至っていることが必要である。

【キーワード】
キャッチフレーズ、著作物性、商品等表示、スピードラーニング

≪商標法50条の不使用には当たらないとした事例≫

平成27年11月26日判決言渡
平成26年(行ケ)第10234号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 平成27年10月15日

【キーワード】
商標法50条、2条3項2号、不使用取消審判、出所表示機能

≪本願商標に係る特許庁の不服2014-24620事件について商標法4条1項11号の判断を誤ったことを理由として、取り消した事案≫

【平成27年11月19日(知財高裁平成27年(行ケ)第10111号)GLC事件】

【判旨】
本願商標に係る特許庁の不服2014-24620事件について商標法4条1項11号の判断を誤ったことを理由として、取り消した事案である。

【キーワード】
商標の類否判断、GLC、商標法4条1項11号

≪衣服のデザイン画について,不正競争防止法2条1項3号で保護される「形態」にあたらないと判断された事例≫

【平成27年9月30日(東京地裁平成26年(ワ)第17832号)】

【キーワード】
不正競争防止法2条1項3号,19条1項5号イ,形態模倣,保護,始期,デザイン画,衣料品,衣服,被服,アパレル

≪特許法101条5号の不可欠要件が争われた事例 ―医療用可視画像の生成方法事件―≫

【平成24年3月26日(東京地裁平成21年(ワ)第17848・10819号)】

【ポイント】
被告の製造販売するワークステーションについて,特許法101条5号に規定する「その発明による課題の解決に不可欠なもの」との要件(以下,「不可欠要件」という。)の該当性が争われた事例において,ワークステーションである被告製品は,本件発明による課題の解決に不可欠なもの(特許法101条5号)に該当せず,被告製品につき,同号所定の間接侵害が成立する余地はないとして,間接侵害の成立を否定した例

【キーワード】
間接侵害,技術的範囲の属否,不可欠要件

≪特許法101条1号「のみ」要件が争われた事例 ―生海苔異物分離除去装置における生海苔の共回り防止装置事件―≫

【平成24年11月2日(東京地裁平成22年(ワ)244798号)】

【ポイント】
被告の製造販売する回転板およびプレートについて,「のみ」要件(特許法101条1号)の該当性が争われた事例において,本件発明を実施しない機能のみを使用し続けながら,当該発明を実施する機能は全く使用しないという使用形態が,当該製品の経済的,商業的又は実用的な使用形態と認めることはできないとして,「のみ」要件の該当性を肯定し,間接侵害の成立が認めた例

【キーワード】
間接侵害,技術的範囲の属否,「のみ」要件

≪商標権の取消審判の審決の取消訴訟において,同審決に商標法が要求する「理由」が記載されておらず,審決が違法であるとされた裁判例≫

【平成27年11月11日判決(知財高判平成27年(行ケ)第10157号)】

【判旨】
商標登録の不使用取消審判での審理の中心となるのは,被請求人が主張する具体的な登録商標の使用の事実の存否であり,審判体が,商標登録の取消しという「結論」を導き出すための「理由」としては,被請求人が主張する具体的な登録商標の使用の事実を特定した上で,同主張に係る使用の事実が認められるか否かについての判断(同主張に係る使用が商標法50条2項の「使用」に該当するかについての法的判断を含む。)及びその根拠を,証拠に基づいて具体的に明示することを要するものと解するのが相当である。

【キーワード】
商標法50条,商標法56条で準用する特許法157条2項4号,不使用取消審判,審決の理由,審決取消訴訟,知財高裁1部判決

≪職務発明の相当の対価の計算において、使用者が相当高いシェアを有していること、競合他社が代替技術の特許を保有し競合品を販売していること等を理由として、超過売上を20パーセントであると認定した裁判例≫

【平成27年2月26日判決(東京地方裁判所平成23年(ワ)14368号 職務発明対価請求事件】

【判旨】
 Yは本件各発明の実施品以外のピストンリング製品についても相当高いシェアを有していること、競業他社がY各製品の競合品の製造販売をしていること、TPR社は本件発明1及び2の代替技術に係る特許を保有していたこと、本件発明1及び2に係る特許には無効理由があり、これを一因としてYによる競業他社に対する権利行使が奏功しなかったこと、Yは本件特許1については権利行使を試みていないことなど本件における諸事情を考慮すれば、Y各製品の売上げのうち本件各特許権に基づく超過売上げの割合はいずれも20%である

【キーワード】
 職務発明、特許法35条、相当の対価、超過売上、知財高裁平成21年2月26日判決[キャノン職務発明事件]

≪特許法101条2号の不可欠要件が争われた事例 ―医療用器具事件―≫

【平成23年6月10日(東京地裁 平成20年(ワ)第19874号)】

【ポイント】
被告の製造販売する胃壁固定具について,特許法101条2号に規定する「その発明による課題の解決に不可欠なもの」との要件(以下,「不可欠要件」という。)の該当性が争われた事例において,胃壁固定具である被告製品は,本件発明による課題の解決に不可欠なもの(特許法101条5号)に該当し,被告製品につき,同号所定の間接侵害が成立するとして,間接侵害の成立を肯定した例

【キーワード】
間接侵害,技術的範囲の属否,不可欠要件

≪先使用権「事業の準備」について判断した事例 -肝疾患治療又は予防剤-≫

【平成21年8月27日判決(東京地裁平成19年(ワ)第3494号】

【ポイント】
被告の製造販売する原告製品の後発医薬品について,原告の特許権侵害であるとして,被告製品の製造販売差し止め,ならびに補償金および損害遅延賠償金の支払いを求め,さらに被告らのパンフレット等の表示が品質誤認表示である旨主張して,パンプレット等の差し止めを求めた事案において,被告は,原告の特許出願前に,KK-1,KK-2及びKK-3の3つのサンプルを製造しており,これが「事業の準備」にあたるとして,先使用権を主張したところ,裁判所は,「KK-1とKK-2及びKK-3とを実質的に同一であると認めることができない以上,これらのサンプルが製造された段階では,被告製品の内容が一義的に確定しておらず,事業の内容が確定したとはいえない。」として,「事業の準備」の該当性を否定した事例

【キーワード】
先使用権,事業の準備

≪医薬用途発明では,その医薬を製造できるだけでなく,出願時の技術常識に照らして医薬としての有用性を理解できるように発明の詳細な説明が記載される必要があるとした事例≫

【平成27年10月13日(知財高判 平成27年(行ケ)第10021号)】 

【判旨】
医薬の用途発明においては,一般に,物質名,化学構造等が示されることのみによっては,当該用途の有用性及びそのための当該医薬の有効量を予測することは困難であり,当該医薬を当該用途に使用することができないから,医薬用途発明において実施可能要件を満たすためには,本願明細書の発明の詳細な説明は,その医薬を製造することができるだけでなく,出願時の技術常識に照らして,医薬としての有用性を当業者が理解できるように記載される必要がある。

【キーワード】
特許法36条4項,実施可能要件,審決取消訴訟,知財高裁2部判決

≪白カビチーズ製品及びその製造方法にかかる特許権の侵害があるとして損害賠償等を求めたが同請求が棄却された事例≫

【平成26年10月30日判決(知財高裁平成25年(ネ)第10112号 白カビチーズ事件】

【判旨】
 被告の実施品は、本件発明と置換可能性がなく,本質的部分が異なるとして均等侵害が成立しないとした。

【キーワード】
白カビチーズ,第1要件,第2要件,均等侵害不成立

≪相違点の認定の誤りがあるとして、審決を取り消した事例≫

平成27年8月6日判決言渡
平成26年(行ケ)第10231号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 平成27年7月28日

【キーワード】
特許法29条2項、進歩性、相違点の認定

≪電子メールの著作物性が認められた事案≫

【平成25年3月21日(東京地判平成24年(ワ)第16391号)】

【判旨】
「本件メール本文の内容は,・・・個性的な表現を含み,十数文からなる文章であって,誰が作成しても同様の表現になるものとはいえないから,本件メールは,言語の著作物に該当すると認められる。」

【キーワード】
 電子メール,著作物性,事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道

≪二段書き商標の類否判断において,取引の実情考慮が考慮されつつ全体観察がなされた事案≫

【平成22年9月27日(知財高裁平成22年(行ケ)第10102号】

【キーワード】
 商標,類似,類否,二段,二段書き,全体観察,分離観察,取引の実情,4条1項11号

≪ライセンス契約に「契約期間が満了しても合意がない限り自動的に契約期間が1年間更新される」旨の規定があったものの,契約期間満了によって契約が終了すると判断した裁判例≫

【平成26年(ワ)第2839号(大阪地裁平成27年8月20日判決)】

【判旨】
以上の諸点を総合考慮すると,本件契約の交渉過程において本件更新条項を最初に提示したのが被告であることを考慮しても,本件においては,被告が契約更新を拒絶するのにやむを得ない事由があると認めるのが相当であり,本件契約は期間満了により終了したというべきである。

【キーワード】
ライセンス契約,契約期間の更新,民法651条,大阪地裁第26民事部判決




≪婦人服の形態模倣において,特徴的部分が一部共通するのみでは実質的同一性を認めない旨の判断をした事例≫

平成23年3月31日判決(東京地裁 平成21年(ワ)第17435号)

【キーワード】
不正競争防止法2条1項3号,形態模倣,模倣品,実質的同一性,婦人服,衣料品,衣服,被服,アパレル,OEM

≪ウェブ上のデータ復旧サービスに関する文章の類似性が争われた事例 ―データ復旧サービス事件―≫

平成23年5月26日判決(知財高裁平成23年(ネ)第10006号)
原審:平成22年12月10日判決(東京地裁平成20年(ワ)第27432号)

【判旨】
被告のデータ復旧サービスについてのウェブページの文章と原告のウェブページの文章の共通部分は,ありふれた又は平凡な表現であって創作性がない部分に過ぎないから,複製権侵害又は翻案権侵害は成立しない。

【キーワード】
創作性,表現上の選択の幅

≪「着脱自在」という用語の意味について、着脱にあたり、分解組立作業を伴う態様のものが含まれないとされた事例≫

【平成26年1月30日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10146号 審決取消請求事件)】

【はじめに】
本件は、本件発明(特許第4551587号)において、「着脱自在」という用語が使用されていたところ、これは、着けたり外したりすることができることを意味し、着脱にあたり、分解組立作業を伴うものは含まれないと判断されたものである。

【キーワード】
機能的、作用的、機能クレーム、クレーム解釈、クレームの解釈

≪「オルガノサイエンス」(標準文字)からなる登録商標について、商標法4条1項11号及び同15号該当性を否定して、無効審判請求を不成立とした審決を、同11号該当性の判断に誤りがあるとして取消した事例≫

平成27年8月6日判決言渡
平成26年(行ケ)第10268号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 平成27年6月4日

【キーワード】
商標法4条1項11号、分離観察、要部、つつみのおひなっこや事件

≪流量制御弁に係る特許権及び専用実施権の均等侵害が成立した事例≫

平成26年12月18日判決(東京地裁 平成24年(ワ)第31523号 流量制御弁事件)

【判旨】
     被告の実施製品について,均等侵害が成立すると判断した。
【キーワード】
     流量制御弁,第3要件,均等侵害成立

≪電話番号情報の自動作成装置事件≫

平成26年9月11日判決(知財高裁 平成26年(ネ)第10022号)

【判旨】
 被告の実施製品について,第1要件及び第5要件を充足せず,均等侵害は成立しないと判断した。

【キーワード】
 均等侵害、第1要件(本質的部分)、第5要件(特段の事情)

≪「ラック搬送装置」という名称の特許につき、審決の訂正に関する判断には誤りがあるとして、審決が取り消された事例≫

平成27年1月28日判決言渡 (知財高裁)
平成26年(行ケ)第10087号 審決取消請求事件
口頭弁論終結日 平成26年12月16日

【キーワード】
特許法126条3項、新規事項の追加、訂正の許否

≪本願のような目的を有さず、本願との相違点に係る構成についての記載も示唆もない引用発明1に、技術分野及び解決課題が異なる引用発明2を適用できないとされた事例本願のような目的を有さず、本願との相違点に係る構成についての記載も示唆もない引用発明1に、技術分野及び解決課題が異なる引用発明2を適用できないとされた事例≫

【平成25年9月3日(知財高裁 平成25年(行ケ)第10034号)】

【はじめに】
本件は、継部に溶接された部材に捻り力等の外力が加わった場合に、継部が溶接部から抜けたり、継部が変形したりするのを防止することを目的とした継手装置に関するものである。審決が引用した引用発明1は、本願の継手装置とは目的が異なり、本願の継手装置の構成を有さないものであった。これに対し、引用発明1に適用した引用発明2は、引用発明1とは技術分野及び解決課題が異なるものであり、引用発明1に引用発明2を適用することができないとされた。


【キーワード】
引用発明、認定、進歩性、動機、組合わせ、組み合わせ

≪平成16年改正後の特許法35条3項に基づいて職務発明の対価が請求された事案≫

知的財産高等裁判所平成25年2月14日判決 平成24年(ネ)10081号 職務発明対価請求控訴事件
原審東京地方裁判所平成24年9月28日判決 平成23年(ワ)6904号 職務発明対価請求事件
【判旨】
使用者等が特許権を譲渡した場合には、特許権の残期間に対応する法定通常実施権の部分を譲渡しているから、使用者等が受けるべき利益(超過利益)の計算においては、譲渡金額からこの部分を控除する必要がある。
【キーワード】
特許法25条、職務発明、対価、平成16年改正、譲渡、超過売上高、超過利益、東京地方裁判所平成24年9月28日判決

≪ダブルアーム型ロボットの発明において、引用発明に周知技術であるコラム型の上下移動装置を適用することができるとされた事例≫

平成25年7月18日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10244号 審決取消請求事件)

【はじめに】
本件は、引用例の実施例において、搬送チャンバ内に設けられたロボットが開示されていたが、搬送チャンバの存在に関わらず、周知技術であるコラム型の上下移動装置を適用することができるとしたものである。引用例の搬送チャンバの存在は、当該周知技術を適用することが困難である事情の一つとなり得るが、本判決は、引用例に記載された、ハンドがアーム部に対して昇降する機能や、アーム部及びハンド全体が昇降する機能を有してもよい旨の記載に基づき、引用例に当該周知技術を適用し、引用発明にコラム型の上下移動装置を採用することは、当業者が容易に想到し得るものであると判断した。

【キーワード】
引用発明、認定、進歩性、動機、組合わせ、組み合わせ

≪パロディ商標が4条1項7号及び15号で登録無効とされた事例 ―KUMA事件―≫

平成25年6月27日判決 (知財高裁平成24年(行ケ)第10454号)
【ポイント】
他人の商標についてのパロディ商標が登録されていたところ,これに無効審判が請求され,4条1項7号および15号で登録が無効とされた事例
【キーワード】
無効審判,パロディ商標,4条1項7号,4条1項15号

≪特許法102条2項の侵害者利益の計算において、金型製作費用を控除した判決≫

平成27年4月28日判決 (知財高裁平成25年(ネ)第10097号)特許権侵害差止等請求控訴事件
(原審 平成25年10月24日判決 (大阪地裁平成23年(ワ)第15499号)特許権侵害差止等請求事件)
【判旨】
特許法102条2項は、侵害者が「その侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額」をもって特許権者が受けた損害の額と推定する規定であるから、侵害者が侵害製品の製造・販売をするに当たり直接必要となった経費であれば、固定費であるからといって、これを控除しないとするのは相当ではない。そこで、本件においても、Y各製品の製造に供する金型が本件各特許発明を侵害しない他の製品に転用できないものであるならば、その金型の製作費用は、Y各製品の製造・販売のために直接必要となった直接固定費として、これを控除すべきである。
【キーワード】
特許法102条2項、102条3項、覆滅、寄与率、金型製作費用、大阪地方裁判所平成25年10月24日判決

≪プリントストッキングの形態模倣について、比較対象とすべき「形態」をストッキングの着用時としながらも、非着用時の状態(平置きの状態)での形態をも考慮すべきものと判断した事例≫

平成25年11月23日判決(知財高裁 平成24年(ワ)第22013号、平成24年(ワ)第36288号)
【判旨】
 「確かに,不正競争防止法2条4項は,「この法律において『商品の形態』とは,需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様,色彩,光沢及び質感をいう。」と規定しているから,「通常の用法に従った使用」,すなわち,本件でいえば着用時における商品の形態をもって比較するのが相当である。しかし,別紙原告商品目録及び被告商品目録(甲2も同じ)における着用時の一方向からの写真のみでは,撮影方向が一方向に限定され,また,マネキンの足の方向によっても見え方が左右されるから,限定された写真のみから着用時の星柄模様の状態を正確に把握することはできない。そのため,着用時の状態を正確に把握するためには,非着用時の模様の配置を参考にする必要がある。その意味で,非着用時の模様の配置(被告のいう着用前の平置きの状態)を参照することが相当であると解される。他方,被告は,ストッキングは,伸縮性のある生地が用いられており,それを着用する人の体型や着用の仕方等によって,柄の見え方が変わってくるから,誰かが着用した状態で形態を捉えることは不適切である旨主張する(別紙2参照)。しかしながら,そのような問題点があることを踏まえながら,非着用時の状態(平置きの状態)での形態も考慮して比較をすればよいのであって,ストッキングを着用した状態での比較が許されないとはいえない。」
【キーワード】
 不正競争2条1項3号、形態、形態模倣、実質的同一性、ストッキング、星柄、プリントストッキング

≪審決に引用発明の認定の誤りがあったとして、審決が取消された事例≫

【平成24年10月29日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10076号 審決取消請求事件)】

【はじめに】
 本件は、 審決が引用発明の認定を誤り、これに基づいて一致点・相違点の判断を行い、相違点の判断を行っているが、審決は、引用発明の正しい認定を前提とした判断を 行っていないので、審決の上記認定は、審決の結論に影響を及ぼすものであるとされた。また、引用発明の認定の誤りは、審決の結論に影響しないとの主張が排斥されたものである。

【キーワード】
引用発明の認定、引用発明、認定

≪不正競争行為差止等請求事件≫

平成27年2月18日東京地裁判決(平成25年(ワ)21383号)
【キーワード】FRAND、信用毀損、虚偽告知、

≪譲渡の事実が認められなかった事例(原審)≫

平成23年(ワ)第32488号、平成23年(ワ)第32489号(東京地裁H25・1・31)

【判旨】
「発光ダイオード」という名称の発明について本件特許権(特許第4530094号)を有する原告が,台湾の企業であるエバーライト社が製造するLEDパッケージについて原告の特許権に係る特許発明の技術的範囲に属すると主張して,被告に対し,そのLEDパッケージの輸入,譲渡等の差止め及び廃棄を求めたが、被告がこれらの行為を行ったとは認められず、行う蓋然性も認められないとして、請求が棄却された事例。

【キーワード】
 発光ダイオード、特許法2条3項1号

≪ピタバスタチン事件≫

【平成27年6月8日判決(知財高裁 平成26年(ネ)第10128号)】

【判旨】
 商標法26条1項2号における「原材料・・・を普通に用いられる方法で表示する商標」に該当し、控訴人の商標権の効力は及ばないと判断された事例
【キーワード】
 商標法26条1項2号、後発医薬品、原料、薬食審査発第0922001号

≪譲渡の事実が認められなかった事例≫

平成25年(ネ)第10014号(知財高裁H25・7・11)
【判旨】
「発光ダイオード」という名称の発明について本件特許権(特許第4530094号)を有する控訴人が,被控訴人は,台湾の企業であるエバーライト社が製造する本件各製品を輸入,譲渡又は譲渡の申出を行っており,被控訴人による当該輸入,譲渡又は譲渡の申出が本件特許権を侵害するものであると主張したが、これらの行為を行ったとは認められず、行う蓋然性も認められないとして、原審同様に請求が棄却された事例。

【キーワード】
 発光ダイオード、特許法2条3項1号

≪育成者権侵害の判断において、現物主義を採用することを明確にした事例≫

(平成27年6月24日知財高裁判決・平成27年(ネ)第10002号育成者権侵害差止請求控訴事件
原審:東京地判平成26年11月28日・平成21年(ワ)47799号/平成25年(ワ)21905号)

キーワード:種苗法3条1項2号、種苗法3条1項3号、育成者権、現物主義、特性表主義、DNA

≪被控訴人(一審被告)による化粧品の製造につき、特許法79条所定の先使用による通常実施権が認められるとの原審判決を維持した裁判例≫

平成27年(ネ)第10025号(知財高判平成27年6月30日判決)
原審:平成26年(ワ)第654号(大阪地判平成27年1月15日判決)

【判旨】
被控訴人(一審被告、以下「被告」という場合がある。)は,本件特許発明につき,「特許出願に係る発明を知らないでその発明をした者から知得して,特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者」に当たるから,少なくとも被告容器の実施形式の範囲で先使用権を有するものである。したがって,被控訴人が本件口紅を販売等することは,控訴人(一審原告、以下「原告」という場合がある。)の有する本件特許権の侵害には当たらない。

【キーワード】
特許法79条,「特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して」,「特許出願の際現に日本国内においてその発明の実施である事業をしている者」,知財高裁4部判決

≪審判にて提出された引例の審決取消訴訟での差替の可否が争われた事例 ―レーザ加工方法事件―≫

【平成22年11月17日(知財高判平成22(行ケ)第10191号判例時報2120号98-103頁) 】

【ポイント】
特許庁が拒絶査定不服審決において提出した引例を,審決取消訴訟段階で差し替えた事例において,本判決は,かかる差し替えは特許法157条の趣旨に反するもので許されないと判断した事例

【キーワード】
審決取消訴訟,新証拠提出,証拠の差し替え,特許法157条

≪共有特許権者が第三者に特許製品を製造させた行為について,共有特許権者の自己実施とは認められないと判断された事例≫

【平成26年3月26日(東京地裁平成23年(ワ)第3292号)】

【判旨】(下線は筆者による)
 「被告は,東京瓦斯に納入した製品のうち,被告型式名SA-173E,SA-173Ea,SW-106E及びSA-156Eb(販売型式名SC-K921B-K,SC-K922B-K,SC-K921B-CK及びSC-K920B-K)については,東京瓦斯の自己実施と同視すべきものであるから,東京瓦斯が本件特許権の共有特許権者であった平成24年2月26日までの間については,上記被告製品の製造及び東京瓦斯への納入は,特許法73条2項により本件特許権侵害を構成しないと主張する。」
 「確かに,証拠(乙73ないし82)によれば,東京瓦斯は,平成16年6月17日付けオリエンテーションにおいて被告を含む警報器メーカー各社に対し,技術仕様書を示して製品検討を依頼し,その後,平成17年11月25日から平成18年9月26日までにかけて,被告との間で定期的に打合せを行い,販売型式名SC-K920B-K,SC-K920B-CK等の製品について詳細な仕様検討を行ったものであることが認められる。
  しかし,上記製品のうち,SA-156Eb(販売型式名SC-K920B-K)及びSA-173Ea(販売型式名SC-K922B-K)の取扱説明書(甲5,13)には,製造者として被告の名称のみが記載されている上,被告は,上記製品(いずれもロ号製品に含まれるものである。)と本件特許に関する構成において同一の製品である,その他のロ号製品を製造し,自社製品として市販しているものと認められる(甲14,16)。また,上記製品の製造に当たり,材料の調達,品質管理等において東京瓦斯が関与したことはうかがわれず,東京瓦斯に対する上記製品の納入についても,通常の売買契約によるものであったことがうかがわれる。
  これらの事情に照らすと,上記製品の製造及び納入を東京瓦斯の自己実施と同視することはできないものというべきである。」

【キーワード】
 特許,共有,自己実施,下請け,ハブメイド,特許法73条3項

≪医療用ゴム栓組成物事件~拒絶査定不服審判請求を不成立とした審決が、引用発明の認定に誤りがあるとして取り消された事例~≫

平成25年3月21日第2部判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10241号)審決取消請求事件
【判旨】
審決は、補正発明の技術的課題と刊行物1に記載の技術的課題の対比を誤り、補正発明と対比すべき技術的思想がないのに刊行物1に記載の事項を漫然と抽出して補正発明と対比すべき引用発明として認定した誤りがあり、ひいては補正発明を刊行物1に記載の引用発明から容易に想到しうるものと誤って判断したものというべきである。
【キーワード】
拒絶査定不服審判、進歩性、引用発明の認定の誤り

≪引用発明の認定が争われた事例 ―遺体の処理装置事件―≫

【平成25年3月19日(知財高裁平成24(行ケ)第10296号)裁判所ウェブサイト】

【ポイント】
進歩性が否定された審決において,甲32公報には「吸水剤である高吸水性ポリマー粉末を収容し,スポンジ部材により開口部を閉塞した遺体の体液漏出防止処置用具について,使用時にスポンジ部材を有する端部を遺体の孔部に挿入した後,押し出し操作を行い,当該スポンジ部材とともに吸水剤粉末を押し出すようにする」技術思想が開示されていると認定された。これについて,本判決は上記技術思想の開示はないとして,引用発明1の発明認定に誤りがあるという違法があるとして,審決の取り消しが認められた事例
【キーワード】
引用発明の認定,進歩性

≪引用発明の認定が争われた事例 ―抗菌性ガラス事件―≫

【平成25年1月30日(知財高裁平成24年(行ケ)第10233号)裁判所ウェブサイト】

【ポイント】
進歩性が否定された審決において,引用例1には硼珪酸塩系ガラスにかかる発明が開示されていると認定された。これについて,引用例1に開示されているのは,硼珪酸塩系ガラスではなく,燐酸塩系ガラスであるとして,引用発明1の発明認定に誤りがあるという違法があるとして,審決の取り消しが認められた事例
【キーワード】
引用発明の認定,進歩性

≪特許法101条1号「のみ」要件が争われた事例 ―位置検出器及びその接触針事件―≫

【平成24年11月1日(大阪地判平成23年(ワ)第6980号)裁判所ウェブサイト】

【ポイント】
被告の製造販売するスタイラスについて,「のみ」要件(特許法101条1号)の該当性が争われた事例において,被告製品は本件発明を実施する用途があることを前提としながら,他の用途に用いることが経済的,商業的又は実用的であると認めることはできないとして,「のみ」要件の該当性を否定し,間接侵害の成立が認めなかった例
【キーワード】
間接侵害,技術的範囲の属否,「のみ」要件

≪特許法101条5号の不可欠要件が争われた事例―微粉除去方法事件―≫

【平成25年2月21日(大阪地判平成20年(ワ)第10819号)裁判所ウェブサイト】

【ポイント】
被告の製造販売する流動ホッパーについて,特許法101条5号に規定する「その発明による課題の解決に不可欠なもの」との要件(以下,「不可欠要件」という。)の該当性が争われた事例において,流動ホッパーである被告製品は,課題解決のために本件特許発明が新たに開示する特徴的技術手段を直接形成するものに当たるというべきであり,本件特許発明による課題の解決に不可欠なものであると認めることができるとし,不可欠要件の該当性を肯定し,間接侵害の成立を認めた例
【キーワード】
間接侵害,技術的範囲の属否,不可欠要件

≪除くクレームとした訂正につき、除かれる物が技術的に明確でないから特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正とは認められないとした事例(経皮吸収製材事件 第2次審決取消判決)≫

知財高判平成27年3月11日・平成26年(行ケ)10204号
【キーワード】
訂正、除くクレーム、特許請求の範囲の減縮、特許法134条の2

≪一般住宅の外観・形態に関する法的保護の可否が争われた事例≫

平成26年10月17日判決(東京地裁平成25(ワ)第22468号)
【キーワード】建築の著作物、商品等表示、特別顕著性、周知性、グッドデザイン賞
【判旨】
 ①「商品の形態自体が不競法2条1項1号の「商品等表示」に該当するためには、①商品の形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しており(特別顕著性)、かつ、②その形態が特定の事業者によって長期間独占的に使用され、又は短期間であっても極めて強力な宣伝広告や爆発的な販売実績等により、需要者においてその形態を有する商品が特定の事業者の出所を表示するものとして周知になっていること(周知性)を要するものと解するのが相当である。」
②「一般住宅が『建築の著作物』に当たるということができるのは、客観的、外形的に見て、それが一般住宅の建築において通常加味される程度の美的創作性を上回り、居住用建物としての実用性や機能性とは別に、独立して美的鑑賞の対象となり、建築家・設計者の思想又は感情といった文化的精神性を感得せしめるような造形美術としての美術性を備えた場合と解することが相当である。」

≪キャッチフレーズに関する法的保護の可否が争われた事例≫

平成27年3月20日判決(東京地裁 平成26年(ワ)第21237号)
【キーワード】キャッチフレーズ、著作物性、商品等表示、スピードラーニング
【判旨】
①「音楽を聞くように英語を聞き流すだけ 英語がどんどん好きになる」というキャッチフレーズは、平凡かつありふれた表現であるから、著作物とは認められない。
②キャッチフレーズが 商品等表示としての営業表示に該当するためには,長期間にわたる使用や広告,宣伝等によって,当該文言が特定人の営業を表示するものとして需要者の間に広く認識され,自他識別機能ないし出所表示機能を獲得するに至っていることが必要である。

≪特許法101条1号「のみ」要件が争われた事例 ―廃材用切断装置事件―≫

平成20年5月29日判決(大阪地裁 平成12年(ワ)8725号)
【ポイント】
被告の製造販売する廃材用切断器について,「のみ」要件(特許法101条1号)の該当性が争われた事例において,被告製品は原告発明にかかるパワーショベルに取り付けられる以外の用途が想定できないとして,「のみ」要件の該当性を肯定し,間接侵害の成立を認めた事例
【キーワード】間接侵害,技術的範囲の属否,「のみ」要件

≪特許法29条1項「公然知られた」,「頒布された刊行物」が争われた事例 ―内部枠構造事件―≫

平成24年10月4日判決(大阪地裁平成22年(ワ)10064号)
【ポイント】被告の製造販売するトンネル用内型枠について,原告の特許権を侵害しているとして提起された特許権侵害訴訟において,被告は,原告の特許発明は新規性欠如を理由とする無効理由を有すると主張した。
被告が無効資料といて提出したのは,情報公開請求の対象文書であったところ,裁判所は,情報公開請求の対象文書は,「公然知られた」(特許法29条1項1号),「頒布された刊行物」(29条1項3号)にあたらないと判示した。
【キーワード】「公然知られた」,「頒布された刊行物」,新規性,公知,公用,情報公開請求

≪ソフトウェア著作権が侵害された場合の賠償額≫

平成27年2月12日判決(東京地裁平成26年(ワ)33433号)
【キーワード】
114条3項,実施料相当額,ソフトウェア,著作権侵害
【判旨】
判旨① 
「被告が本件ソフトウェアの違法複製版を ダウンロード販売したという事案においては,本件ソフトウェアを複製した商品を販売する者から原告が受けるべき使用料相当額を算定すべきであるところ, 本件においては,著作権者の標準小売価格を前提としてこれに相当な実施料率を乗じて使用料相当額を算定するのが相当であると解される。」
判旨②
「ソフトウェア等の技術分野における実施 料率に関する統計データ(特に,上記「実施料率【第5版】」中のソフトウェアを含む「電子計算機・その他の電子応用装置」の技術分野における外国 技術導入契約の実施料率に関する統計データによれば,平成4年度から平成10年度までのイニシャル・ペイメント条件がない契約における実施料率の平均は33.2パーセントとされていること)に加えて,被告による侵害行 為の態様が本件ソフトウェアのアクティベーションを無効化して実質的に同一のプログラムを販売したという悪質なものであることなど本件に現れた一切の事情を考慮すれば,実施料率を50パーセントと認めるのが相当である。」

≪発明の要旨認定において、クレーム中の「保持」という用語を限定的に解釈しなかった事例≫

平成25年11月27日判決(知財高裁平成25年(行ケ)10134号)経皮吸収製材事件 第1次審決取消判決
【キーワード】 発明の要旨認定、特許法70条、リパーゼ判決

≪無効審判請求を不成立とした審決が、引用発明の認定に誤りがあるとして取り消された事例≫

平成25年9月19日第2部判決(知財高裁平成24年(行ケ)第10435号) 審決取消請求事件
【要旨】 発明の名称を「窒化ガリウム系発光素子」とする特許権についての特許無効審判請求不成立審決の取消訴訟において、審決の引用発明の認定には誤りがあると判断した上で、正しい相違点に関する本件発明の構成の容易想到性については、当事者双方とも主張立証をしていないとし、審決が取り消し、続いて検討すべき争点については審判の審理で行うべきものとするのが相当とされた事例。
 【キーワード】 無効審判、引用発明の認定の誤り、主張・立証

≪発明の容易想到性について一審判決と異なる判断を下し、発明の容易想到性を否定した上で、控訴人(原告)の請求を認容した判決≫

平成26年12月17日判決 (知財高裁平成25年(ネ)第10025号)  特許権侵害差止等請求控訴事件
平成25年2月28日判決 (大阪地裁平成23年(ワ)第11104号) 特許権侵害差止等請求事件
【判旨】
箱底から遠い外側側板の一部を切欠した乙7発明から、内外いずれの側板であってもその一部だけを切欠するという上位概念化した技術思想を抽出し、乙13発明の内側に折り返した内側側板に適用しようとすることは、当業者にとって容易とはいえず、これを容易想到とする考えは、まさに本件発明の構成を認識した上での「後知恵」といわなければならない。
【キーワード】
特許法29条2項、進歩性、容易想到、設計事項、金属製ワゴン事件、大阪地方裁判所平成25年2月28日判決 、判例タイムズ1401号317頁

≪プレスリリースが不正競争防止法上違法とされた事例≫

平成27年2月19日判決(大阪地裁平成26年(ワ)第3119号)
【判旨】
被告の行ったプレスリリースは、不正競争防止法2条1項14号所定の不正競争行為に該当し、損害賠償義務を負う。
【キーワード】
 訴訟提起に係るプレスリリース、不正競争防止法2条1項14号、不正競争防止法4条

≪なめこの育成者権侵害を否定しながら、種苗法における権利濫用の抗弁についても判示した事例≫

平成26年11月28日判決(東京地裁平成21年(ワ)47799号/平成25年(ワ)21905号)
キーワード:種苗法3条1項2号、種苗法3条1項3号、育成者権、権利濫用、特許法104条の3、現物主義、特性表主義、後発的事由

≪控訴人(原告)の書籍のタイトルに含まれる「巻くだけダイエット」というフレーズにつき、不正競争防止法2条1項2号の著名な商品等表示該当性を否定し、被控訴人(被告)が販売する書籍の差止め等を棄却した判決≫

平成27年1月29日判決(知財高裁平成26年(ネ)第10095号)不正競争行為差止等請求控訴事件
原審平成26年8月29日判決(東京地裁平成25年(ワ)第28860号)不正競争行為差止等請求事件
【判旨】
X書籍の題号『バンド1本でやせる! 巻くだけダイエット』『スーパーChihiroバンド 巻くだけダイエット』における『巻くだけダイエット』との表示は,数あるダイエット手法の中において,控訴人が提唱しているダイエットの方法を表示したもの,すなわち控訴人の業務の内容を需要者に示しているものにすぎず,『巻くだけダイエット』が控訴人の業務を表示するもの,すなわち控訴人の業務の出所を指し示すものとして使用されていたとはいえない。
【キーワード】
著名な商品等表示、不正競争防止法2条1項2号、巻くだけダイエット

≪原出願に記載された発明を上位概念化してなされた分割出願について、特許法44条1項の要件に該当しない不適法なものであるとして、出願日が原出願の時まで遡及することはなく現実の出願日であるとした上で、原出願公開公報に基づき新規性を否定した判決≫

平成27年1月29日判決(知財高裁平成25年(ネ)10098号)特許権侵害差止等請求控訴事件
原審平成15年10月17日判決(大阪地裁平成24年(ワ)第3276号)特許権侵害差止等請求事件
【判旨】
本件特許発明は、原出願明細書に開示された技術的事項を上位概念化するものであって,原出願明細書に実質的にも記載されているということはできず、分割要件に違反するものであるから,本件特許に係る出願日は原出願の時まで遡及せず,本件特許発明は,原出願公開公報に記載された発明と同一であり,本件特許は特許法123条1項2号,29条1項3号に基づき,特許無効審判により無効となる。
【キーワード】
分割出願、特許法44条、補正、新規事項の追加、大阪地方裁判所平成25年10月17日判決

≪特許権侵害訴訟における無効の抗弁に対する訂正の再抗弁の主張に際しては、原則として、実際に適法な訂正請求等を行っていることが必要であると判示した裁判例≫

平成26年9月17日判決(知財高裁平成25(ネ)第10090号)
【判旨】
無効理由の回避が確実に予測されるためには,その前提として,当事者間において訴訟上の攻撃防御の対象となる訂正後の特許請求の範囲の記載が一義的に明確になることが重要であるから,訂正の再抗弁の主張に際しても,原則として,実際に適法な訂正請求等を行っていることが必要と解される。
【キーワード】
特許権侵害、特許法104条の3、訂正の再抗弁、知財高裁2部判決

≪明細書の変形例の記載が特許発明の技術的範囲の確定にあたり参酌された事例≫

平成26年9月25日判決(東京地裁平成25年(ワ)第25813号)
【キーワード】
技術的範囲、特許法第70条第1項・第2項

≪利用規約の模倣につき著作権侵害が肯定された事例≫

平成26年7月30日判決(東京地裁 平成25年(ワ)第28434号)
【キーワード】
修理規約,利用規約,著作物性
【判旨】
原告規約文言は,疑義が生じないよう同一の事項を多面的な角度から繰り返し記述するなどしている点において,原告の個性が表れていると認められ,その限りで特徴的な表現がされているというべきであるから,「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法2条1項1号),すなわち著作物と認めるのが相当というべきである。

≪洗濯機用水準器において均等侵害が認められた事例≫

平成25年9月12日判決(東京地裁平成23年(ワ)第8085号、平成23年(ワ)第22692号)
【判旨】
洗濯機等に関する特許権を共有する原告らが,被告らによる洗濯機の製造,譲渡等が特許権を侵害するとして,被告らに対し,損害賠償を求めた事案であり、裁判所は,被告製品のうち,特許請求の範囲に記載された構成と均等であるものについて,請求を認容した事案。
【キーワード】
洗濯機、均等侵害、第1要件、水平器、本質的部分

≪移動無線網で作動される移動局および移動局の作動方法≫

平成26年1月24日判決(東京地裁平成21年(ワ)第17937号)
【ポイント】
分割出願に係る特許発明のクレーム解釈にあたっては、原出願のクレーム等の全体を通じて統一的な意味に解釈すべきとした事例
【キーワード】分割出願、クレーム解釈

≪登録商標と引用商標とが非類似であるとの主張は、別件訴訟の蒸し返しであり、訴訟法上の信義則に反し許されないとした裁判例≫

平成26年10月8日判決(東京地裁 平成26(行ケ)第10127号)
【判旨】
本件審決取消訴訟は,実質において,本件商標と引用商標との類否判断につき,既に判決確定に至った別件審決取消訴訟を蒸し返すものといえ,訴訟上の信義則に反し,許されないものというべきである。
【キーワード】
商標権、無効審判、商標法4条1項11号、民訴法2条、114条、知財高裁2部判決

≪粉粒体の混合及び微粉除去方法並びにその装置≫

平成26年3月27日判決(知財高裁 平成25年(ネ)第10026号、第10049号)
【ポイント】
侵害しない態様で使用される可能性があることを理由としては差止めを認めるのが不当とはいえず、差止めが認められた事例
【キーワード】差止め、差止めの要件、過剰差止め

≪特許法29条1項3号の刊行物に記載された発明の意味≫

平成26年9月25日判決(東京地裁 平成25年(行ケ)第10324号)
【判旨】
刊行物の記載と,当該実施例の再現実験により確認される当該属性も含めて,特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」と評価し得るものと解される場合がある。
【キーワード】
 刊行物に記載された発明、特許法29条1項3号

≪一審判決が、102条2項の適用により損害を推定した上で75%の割合で推定を覆滅したことに対し、推定の覆滅の割合を65%に変更した事例≫

平成26年9月11日判決(知財高裁 平成26年(ネ)第10022号)
平成26年1月30日判決(原審・東京地裁 平成21年(ワ)第32515号)
【判旨】
本判決は、特許権侵害の損害賠償請求事件である。第1審は、特許権者が当該特許権にかかる発明を自己実施しない場合に102条2項の推定規定の適用を認め、侵害者が得た利益の75%の割合で推定を覆滅した。これに対し、本判決は推定の覆滅の割合を65%に変更した。
【キーワード】
損害論、特許法102条、推定の覆滅、寄与度

≪医薬品の成分を対象とする特許における薬事法の承認に係る特許発明の実施の範囲≫

平成26年9月25日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10326号)
【判旨】
  特許権の存続期間の延長登録に係る特許法67条の3第1項1号により延長登録の出願を拒絶すべき場合の要件について,医薬品の成分を対象とする特許については,薬事法14条1項又は9項に基づく承認を受けることによって禁止が解除される「特許発明の実施」の範囲は,薬事法14条2項3号が定める審査事項のうち,効能又は効果によって特定される医薬品の製造販売等の行為であると解するのが相当である旨判示した。
【キーワード】
イレッサ、ゲフィチニブ、延長登録、特許法67条2項、特許法第67条の3第1項第1号

≪鮪肉の保存方法≫

平成26年4月17日判決(東京地裁 平成24年(ワ)第24256号、平成25年(ワ)第30579号)
【ポイント】
構成要件の文言該当性(充足性)につき、立証が足りず非侵害とされた事例
【キーワード】
立証、技術的範囲

≪電話番号情報の自動作成装置≫

平成26年1月30日判決(東京地裁 平成21年(ワ)第32515号)
【ポイント】
特許権者が特許品を実施していなくても、被告と同種の営業を行っていたことを理由に、特許法102条2項の適用が認められた事例
【キーワード】特許法102条2項、損害論、ごみ貯蔵機器事件

≪ハイドロキシシンナム酸誘導体又はこれを含むトウキ抽出物を含有する痴呆予防及び治療用の組成物≫

平成26年4月16日判決(東京地裁 平成24年(ワ)第24317号)
【ポイント】
請求項を削除する補正(出願経過)が、削除されずに特許された請求項の文言の解釈に影響を与えた事例
【キーワード】出願経過参酌、禁反言、クレーム解釈

≪繊維メーカが被服の下げ札に付した商標について、「素材」ではなく「被服」についての使用を認めた事例≫

知財高裁平成25年9月25日(平成25年(行ケ)第10031号)
【判旨】
 「本件商品は,マックハウスの商品として,マックハウス商標が付されると共に,東麗商事により東レの特殊軽量素材の生地を使用してODM型生産された,軽量感のあるソフトな風合いの機能性,快適性に優れた衣類であることも表示するものとして,本件使用商標が付されて販売されたものであり,単に,本件商品に使用された素材を示すために,本件使用商標が本件商品に付されたものとみることは相当ではない。」
【キーワード】
 商標、指定商品、素材、被服、衣服、使用、不使用取消審判、商標法50条1項

≪通気用フィルター部材≫

平成26年5月13日判決(大阪地裁 平成25年(ワ)第3742号)
【ポイント】
請求項の数値範囲の原告立証の実験結果が適切ではなく、非侵害とされた事例
【キーワード】
立証、技術的範囲、実験

≪コラージュと著作権侵害、テナントの著作権侵害と賃貸人の責任≫

平成26年 5月27日判決(東京地裁 平成25年(ワ)第13369号)
【判旨】
・本件看板は,目の部分をくり抜いた猫の写真ないしその複製物を色彩あるいは大きさのグラデーションが生じるように多数並べてコラージュとしたものであり,全体として一個の創作的な表現となっていると認められる一方,これに使用された原告写真又はそのコピーのそれぞれは本件看板の全体からすればごく一部であるにとどまり,本件看板を構成する素材の一つとなっているということができる。そうすると,本件看板に接する者が,原告写真の表現上の本質的な特徴を直接感得することができるといえないと解すべきである。
・百貨店を経営する会社がテナントに対して著作権法に反する行為をしないよう適切な管理監督をする義務を負い,これに反したときは第三者に対して損害賠償責任を負うと解すべき根拠は見いだし難い。また,本件の関係各証拠上,被告三越伊勢丹が被告アンダーカバーによる著作権及び著作者人格権侵害の事実を知り,又はこれを容易に知り得たとは認められないから,原告の主張するような精査等の義務を負うと解することもできない。
【キーワード】
コラージュ,翻案,写真著作物,百貨店,著作権

≪被告らが取締役を務める会社の特許権侵害につき、被告らに対し、会社法429条に基づく責任があるとして原告(特許権者)に対する損害賠償(特許法102条2項)を命じた裁判例≫

平成26年11月18日判決(東京地裁平成25(ワ)第14214号)
【判旨】
不法行為期間のうち平成23年4月1日から同年6月30日までの間、被告Bは代表取締役として本件新会社の本件治療器に係る業務を執行し、被告Aも取締役として同業務についての意思決定に関わっており、特許権侵害につき悪意又は重過失であったと認められる。したがって、被告らは、この間の本件新会社による特許権侵害の不法行為につき、会社法429条1項に基づく責任を負う。
【キーワード】
特許権侵害、特許法70条、102条、会社法429条、46部判

≪①顧客情報は会社のものか従業員のものか、②顧客名簿の秘密管理性≫

平成23年11月8日判決(東京地裁平成20年(行ウ)第415号)
【キーワード】
営業秘密、顧客情報、帰属、秘密管理性
【判旨】
●顧客情報の帰属について
「被告A及び同Bの携帯電話や記憶に残っていた本件顧客情報は,いずれも原告ネクストでの投資用マンションの販売業務に関連して取得されたことが認められるから,勤務先の原告ネクストに帰属するとともに,前記のとおり,原告コミュニティにも帰属するものといえる。」
●秘密管理性について
「原告らは,本件顧客情報に接し得る者を制限し,本件顧客情報に接した者に本件顧客情報が秘密であると認識し得るようにしていたといえるから,本件顧客情報は,原告らの秘密として管理されていたということができる。」

≪登録モデル情報の秘密管理性、使用≫

平成26年4月17日判決(東京地裁 平成24年(ワ)第35742号)
【判旨】
●秘密管理性について
原告は,登録モデル情報に接することができる者を制限し,かつ,これに接した者に秘密であると容易に認識することができるようにしていたのであるから,登録モデル情報は原告の秘密として管理されていたと認められる。
●登録モデル情報の使用について
登録モデルの不自然な重複等の間接事実から,原告の営業秘密たる「登録モデル情報」が使用されたことを認定
【キーワード】
 営業秘密,秘密管理性,登録モデル情報

≪「オタク婚活」との言葉は自他役務識別力を欠くと判断された事例≫

平成26年5月14日判決(知財高裁平成25年(行ケ)第10341号)
 【キーワード】
 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項、自他役務識別力、基準時

≪攪拌機用パドル均等侵害事件≫

平成26年3月26日判決(知財高裁 平成25年(ネ)10017号)
【判旨】
 オープン式発酵処理装置に係るロータリー式撹拌機用パドルの形状について、均等侵害を認めた事例
【キーワード】
 均等論、オープン式発酵処理装置、ロータリー式撹拌機用パドル、ボールスプライン事件

≪プログラムに関するリヴァース・エンジニアリングの可能性≫

平成22年4月27日判決(知財高裁 平成21年(ネ)第10070号)/平成21年10月15日判決(東京地裁 平成19年(ワ)第16747号)
【判旨】
※リヴァース・エンジニアリングに対する著作権侵害に基づく損害賠償請求に関する判示。
 ●原判決 
 「かかる行為のみを理由として著作権侵害を主張し,損害賠償を請求することは,権利の濫用(民法1条3項)に当たり許されないものというべきである」
 ●控訴審判決
 「これらの事情を総合考慮すると,被告プログラム(筆者注:トレードごとの成績を個別に検証し,適切なパラメータを設定することによって,より多くの利益を獲得できるプログラムにする目的で作成されたもの)が本件プログラム1及び2の複製物,翻案物であると評価されたとしても,原告に財産的又は非財産的損害が発生したものということは到底できない。」
【キーワード】
 プログラム,リヴァース・エンジニアリング,権利の濫用

≪部品の製造販売を許諾していても、完成品に対する権利行使を認めると判断した事例≫

平成26年5月16日判決(東京地裁 平成25年(ネ)第10043号)
【キーワード】
消尽論、特許法101条1号、通常実施権者、BBS事件(最高裁平成9年7月1日判決)、インクカートリッジ事件(最高裁平成19年11月8日判決)

≪商標の不使用による取消において、駆け込み使用が「審判の請求がされることを知った後」になされたものではないとして、一審の判例を取り消した事例≫

平成18年11月8日判決(知財高裁 平成18年(行ケ)第10813号)
【判旨】
商標法50条3項の「その審判の請求がされることを知った」とは、例えば、当該審判請求を行うことを交渉相手から書面等で通知されるなどの具体的な事実により、当該相手方が審判請求する意思を有していることを知ったか、あるいは、交渉の経緯その他諸々の状況から客観的にみて相手方が審判請求をする蓋然性が高く、かつ、被請求人がこれを認識していると認められる場合などをいうと解すべきであり、被請求人が単に審判請求を受ける一般的、抽象的な可能性を認識していたのみでは足りない。
【キーワード】
不使用取消審判、駆け込み使用、商標法50条3項、審判の請求前三月、審判の請求がされることを知った後

≪ソースコードの秘密管理性と不正競争防止法上の使用≫

平成25年7月16日判決(大阪地裁 平成23年(ワ)第8221号)
 【判旨】
本件ソースコードの管理は必ずしも厳密であったとはいえないが、このようなソフトウェア開発に携わる者の一般的理解として、本件ソースコードを正当な理由なく第三者に開示してはならないことは当然に認識していたものと考えられるから、本件ソースコードについて、その秘密管理性を一応肯定することができる。 不正競争防止法により規制される営業秘密たるソースコードの「使用」(同法2条1項7号)とは、これをそのまま複製する場合や、異なる環境に移植する場合に逐一翻訳する場合などを指す。ソースコードに表現されるロジックの使用は、ソースコードの記述そのものとは異なる抽象化、一般化された情報の使用をいうものにすぎず、不正競争防止法上の「使用」には該当しない。
 【キーワード】
ソースコード、秘密管理性、営業秘密の使用

≪機能的クレームの解釈と充足性について、一審と知財高裁とで判断が分かれた事例≫

平成24年11月29日判決(知財高判 平成24年(ネ)第10023号)
【判旨】
構成要件オにおける「液体の流速が、十分に高く」とは、「レーザービームの一部がノズル壁を損傷しないところまで、熱レンズの形成が抑圧される」程度に流速が高いことを意味するものと解される。Y製品ではノズル壁の損傷が防がれていること等を総合すれば、Y製品は「流速が、十分に高く」したとの構成が採用されていると解するのが自然であり、構成要件オを充足する。
【キーワード】
充足性。特許請求の範囲の解釈。機能的クレーム。

≪製作委託契約が解除された場合において、委託者有利な契約条項の適用が限定的に解された事例≫

平成26年4月23日(知財高裁 平成25年(ネ)第10080号等
【判旨】
 本件契約第10条(契約解除後の権利義務の処理に関する規定)が念頭においていないような場合については、同条の定める契約解除後の権利関係の調整をそのまま適用する前提を欠くことになり、これを当事者間の利害調整や衡平の観点から適宜調整の上適用することが、本件契約の合理的解釈といえる。
【キーワード】
 製作委託契約、解約、著作権の帰属、請負代金の返還

≪p型窒素化ガリウム系化合物半導体の製造方法≫

平成26年5月22日判決(東京地裁 平成24年(ワ)第14227号)
【ポイント】
本件発明の技術的範囲の解釈において、「実質的に水素を含まない雰囲気」の意義は、水素を含んでいても実質的に作用効果を奏しない程度であれば足りると判示した事例
【キーワード】
技術的範囲、構成要件該当性、「実質」の意義

≪技術的範囲の属否が争われた事例≫

平成26年4月24日判決(東京地裁民事46部 平成23年(ワ)第29033号 損害賠償等請求事件)
口頭弁論終結日 平成26年2月4日
【キーワード】
特許法70条1項、2項

≪均等第1要件(非本質的部分)の認定において、出願経過を補強的に用いた事例≫

平成24年4月12日判決(大阪地裁 平成23年(ワ)4131号)
【キーワード】
均等 第1要件 本質的部分 出願経過

≪インターネット上の著作権侵害行為に関する準拠法¹≫

平成25年5月17日判決(東京地裁 平成25年(ワ)第1918号)(判例タイムズ1395号319頁)2
【キーワード】
 準拠法、ニコニコ動画、サーバ、著作権
【判旨】
 著作権侵害を理由とする損害賠償請求の法的性質は不法行為であり、法の適用に関する通則法17条により準拠法を決定するべきであるところ、本件(筆者注:ニコニコ動画に第三者の著作権を侵害する動画がアップロードされたという事案)において、同条にいう「加害行為の結果が発生した地」は日本国内であると認められるから、我が国の法律がその準拠法となる。」

≪FRAND宣言をされた特許権に基づく差止請求権、損害賠償請求権の行使について論じた5/16付け知財高裁大合議判決≫

平成25年(ネ)第10043号 知財高裁大合議判決(FRAND 事件)
【キーワード】 
FRAND宣言 実施料相当額 権利濫用 差止請求権

≪先使用権の成立を理由に特許権侵害が否定された事例≫

平成25年8月28日判決(知財高裁 平成25年(ネ)第10018号)
【キーワード】
先使用権、発明の知得の経路

≪控訴審で追加された主張にかかる均等侵害が認められた事例≫

平成26年3月26日判決 (知財高裁 平成25年(ネ)第10017号)
【キーワード】
均等論、均等侵害、第1要件、本質的部分、置換可能性

≪訂正が新規事項の追加にあたらないとした審決が取り消された事例≫

平成26年2月26日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10206号 審決取消請求事件)
口頭弁論終結日 平成26年2月17日
【キーワード】
特許法134条の2第9項,126条5項,新規事項の追加,訂正の許否

≪美術鑑定書の裏面に鑑定対象である絵画のコピーを貼付した行為は 著作権法32条により許容される「引用」にあたるとされた事例≫

平成22年10月13日判決(知財高裁 平成22年(ネ)第10052号)[美術鑑定書控訴審]1
【判旨】
引用としての利用に当たるか否かの判断においては,他人の著作物を利用する側の利用の目的のほか,その方法や態様,利用される著作物の種類や性質,当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度などが総合考慮されなければならない。
【キーワード】
美術鑑定書、引用、総合考慮

≪動画投稿サイト運営者の著作権侵害責任が認められた事例≫

平成22年9月8日判決(知財高裁 平成21年(ネ)第10078号)TVブレイク控訴審 1
【判旨】
 動画投稿サイト運営者が,動画投稿サービスを提供し,それにより経済的利益を得るために,その支配管理するウェブサイトにおいて,ユーザの複製行為を誘引し,実際に本件サーバに本件管理著作物の複製権を侵害する動画が多数投稿されることを認識しながら,侵害防止措置を講じることなくこれを容認し,蔵置する行為は,ユーザによる複製行為を利用して,自ら複製行為を行ったと評価することができる。
【キーワード】
動画投稿サイト、著作権侵害主体性、不作為

≪審決取消請求事件≫

平成26年1月29日判決 (知財高裁 平成25年(行ケ)第10257号)
【判旨】
商標権の不使用取消審判について,前訴で積極的に争われなかった事実関係に基づく信頼は保護されないと判断された事例。
【キーワード】
不使用取消審判,信義則,権利濫用,商標法50条

≪特許料納付書却下処分取消請求事件≫

平成26年1月31日判決(東京地裁 平成25年(行ウ)第467号,第468号,第469号)
【判旨】
特許料及び割増し特許料を納付することが認められなかった事例。
【キーワード】
割増特許料,平成23年改正前特許法112条の2,東日本大震災,追納,その責に帰することができない理由

≪容易想到性を否定して進歩性を認めた特許庁の審決に対して,容易想到性を肯定して審決を取り消した判例≫

平成25年12月24日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10154号)
【判旨】
 全面が暗黒となるブラックアウト型の車両用計器(引用発明)に,目盛り板(ないし指針)の明るさがキースイッチのオフ後徐々に低下する車両用指針装置(本件発明1)と技術的意義を同じくするフェードアウト技術(周知技術1)を適用して,相違点1に係る構成をとることは,当業者が容易に発明できたことであるから,相違点1についての審決の容易想到性判断には誤りがあるとして,審決を取り消した事例。
【キーワード】
容易想到性,進歩性

≪製品掲載ページまで他社ウェブサイトを含め複数回のリンクをたどる必要があるウェブサイトの記載のみでは譲渡,譲渡の申し出があったとは認められないとされた事例≫

平成25年7月11日判決(知財高裁 平成25年(ネ)第10014号)
【キーワード】
実施行為,譲渡,譲渡の申し出,ウェブサイトへの掲載

≪文言侵害が成立せず,また,均等侵害については均等第4要件を具備しないものとして,特許発明の技術的範囲に属しないから侵害不成立とされた事例≫

平成26年2月6日判決(大阪地裁 平成24年(ワ)第7887号)
【キーワード】
特許発明の技術的範囲,均等論,均等第4要件

≪ソフトウェア特許侵害訴訟において、被告以外が提供した汎用アプリケーションの処理が本件特許の構成要件に該当せず侵害不成立とされた一審の判断が維持された事例≫

平成26年1月30日判決(知財高裁 平成25年(ネ)第10079号)
【キーワード】
ソフトウェア関連発明,特許発明の技術的範囲,汎用アプリケーション,複数主体の特許権侵害

≪アトルバスタチン差止請求事件≫

平成25年10月24日判決(東京地裁 平成24年(行ワ)第5743号、平成24年 (行ワ)第19120号)
【判旨】
別件訴訟において無効理由を有すると判断された本件特許権1から分割された特許権2についても無効理由があると判断された事例
【キーワード】
アトルバスタチン、分割出願、特許法第29条第2項、特許法123条1項2号

≪実施許諾 (雨水貯留浸透槽・軽量盛土用部材)≫

平成25年12月19日判決(東京地裁 平成24年(ワ)第18353号)
【ポイント】
特許権侵害訴訟において,文言侵害・均等侵害が否定され,かつ,法人格濫用の法理を適用の上,被告に実施許諾がされ,当該実施許諾にかかる契約の解除の有効性を否定した事例。
【キーワード】
文言侵害,均等侵害,実施許諾,解除の有効性,法人格濫用の法理

≪充足論(雨水貯留浸透槽・軽量盛土用部材)≫

平成25年12月19日判決(東京地裁 平成24年(行ワ)第18353号)
【ポイント】
特許権侵害訴訟において、文言侵害・均等侵害が否定された事例
【キーワード】
文言侵害、均等侵害

≪家具の脚取付構造≫

平成26年1月29日判決(知財高裁 平成25年(ネ)第10072号)
【ポイント】
被告製品が技術的範囲に属しないとして特許権侵害を否定した。クレームの文言解釈につき自白が成立せず,禁反言の法理に反するものではないとした。
【キーワード】
技術的範囲,自白,禁反言の法理

≪職務発明の対価請求権が時効により消滅したとして、原告(元従業員)の被告(会社分割によって日本IBMのハードディスク事業を承継した会社)に対する職務発明対価請求が認められなかった事例≫

平成25年10月30日判決(東京地裁 平成23年(ワ)第21757号)
【判旨】
 本件発明に係る相当対価の支払請求権は,支払の時点から10年が経過した平成10年8月頃に消滅時効が完成し,被告が平成24年4月20日の弁論準備手続期日において消滅時効を援用する旨の意思表示をしたことは当裁判所に顕著であるから,消滅時効の抗弁は理由がある。
【キーワード】
職務発明、特許法35条,東京地裁29部判決

≪アトルバスタチン無効事件≫

平成24年12月5日判決(知財高裁 平成23年(行ケ)第10445号)
【判旨】
1 結晶性の「〔R-(R*、R*)〕-2-(4-フルオロフェニル)-β、δ-ジヒドロキシ-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-〔(フェニルアミノ)カルボニル〕-1H-ピロール-1-ヘプタン酸ヘミカルシウム塩(アトルバスタチン)」の発明において、明細書が開示する三つの方法中、一つのみを検討し、実施可能要件を充足するとした審決の判断は是認することができず、その余の記載により実施可能要件を充足するか否かについて審理を尽くしていないとされた事例
2 引用例における「再結晶」の用語が「再沈殿」又は「再析出」の誤用とはいえず、引用例にはアトルバスタチンを結晶化したことが記載されているから、本件発明は、引用例に記載された発明及び技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとして、これと異なる審決の判断に誤りがあるとされた事例
【キーワード】
アトルバスタチン、再結晶、特許法第29条第2項、特許法(平8法68号による改正前のもの)第36条第4項1

≪補正が新規事項の追加にあたるとした審決の判断が維持された事例≫

平成26年2月24日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10201号)
【キーワード】
特許法17条の2第3項、新規事項の追加、補正の許否

≪無効審判系の手続で特許法134条の3第1項の申立てがなかったために、侵害訴訟 において特許無効とされ権利行使が制限された事案≫

平成25年10月24日判決(知財高裁 平成24年(ワ)第57433号(甲事件)、平成24年(ワ)第19120号(乙事件))

甲事件
本件特許は無効にすべきものとして無効審判の審決を取り消す旨の知財高裁判決が確定した後に、特許権者(原告)より特許法134条の3第1項(平成23年改正前)の訂正請求期間指定の申立てがなされなかった場合には、特許権は無効とされるべきものであって侵害訴訟における権利行使が認められなかった事例。
乙事件
甲事件が対象とする本件特許1(1)(2)は化合物に関するものであるところ、乙事件が対象とする本件特許2(1)(2)は当該化合物を用いた医薬組成物の発明であり、本件特許1(1)(2)が進歩性を欠く以上、本件特許2(1)(2)も進歩性を欠くとして、特許権は無効とされるべきものであって権利行使が認められなかった事例。

【キーワード】
特許法134条の3第1項、期間指定の申立て、特許法181条2項前段、行政事件訴訟法33条1項、最高裁平成4年4月28日判決(高速旋回式バレル研磨法事件)、特許法123条、特許法104条の3、東京地裁民事第46部判決

≪炭酸の拒絶理由通知不備≫

平成25年10月16日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10405号)
【判旨】
本件拒絶理由通知においては進歩性を欠如するとの拒絶理由が通知されていたものの,補正前発明1とは異なり,引用発明と差異はないから新規性を欠如するとの拒絶理由が通知されたとは認められず、審決には取り消すべき違法がある。
【キーワード】
 特許法159条1項、特許法50条、拒絶理由通知の不備

≪第3要件を欠くことにより均等侵害が否定された事例≫

平成25年10月17日判決(知財高裁 平成24年(ワ)第3276号)
【判旨】  
少なくとも均等第3要件を欠くから、被告製品が、本件特許の均等の範囲にあるということもできない。
【キーワード】
文言侵害、均等侵害、第3要件、角度調整金具、特許法70条、大阪地裁第21民事部判決

≪文言侵害・均等侵害にあたらないとして一審の判断が維持された事例≫

平成25年11月27日判決(知財高裁 平成25年(行ネ)第10001号)
【キーワード】
技術的範囲、均等論、出願経過、意識的除外

≪テレビCM原版の著作権が広告主に帰属するとされた事例≫

平成24年10月25日判決(知財高裁 平成24年(ネ)第10008号)
【キーワード】
テレビCM、映画製作者、著作権法29条1項
【判旨】
本件におけるテレビCMの原版の著作権は、広告主に帰属する。

≪特許査定後の分割が違法と判断された事例≫

平成25年9月10日判決(知財高裁 平成25年(行コ)第10001号)
【判旨】
原告が本件原出願の分割出願(平成12年2月15日、平成18年改正特許法44条2項により、同日に出願したものとみなされる。)をしたのは,本件原出願についての特許査定の送達がされた平成23年1月28日より後の同年2月10日であるから,本件出願は,平成14年改正特許法44条1項の定める出願期間経過後にされたもので,不適法である。
【キーワード】
分割出願、適用条項、特許法44条2項、特許法改正附則、意匠法等の一部を改正する法律(平成18年法律第55号。以下「平成18年改正法」という。関係部分につき平成19年4月1日施行。)、経過措置

≪原告特許権の実施品(薬剤分包用ロールペーパー)の使用済み芯管を回収し分包紙を巻き直した被告製品は、特許製品の新たな生産であり原告特許権の消尽が認められないとした事例≫

平成26年1月16日判決(大阪地裁 平成24年(行ワ)第8071号)
【判旨】
原告が販売する薬剤分包用ロールペーパー(原告特許権の実施品)の使用済み芯管(分包紙が費消された芯管)を回収し、これに分包紙を巻き直して被告製品として販売していた被告の行為は、特許製品の新たな生産にあたり、被告製品について原告特許権の消尽を認めることはできない。
【キーワード】
消尽論、実施、再生産、特許法2条3項1号、インクカートリッジ事件(最高裁平成19年11月8日判決)、大阪地裁第26民事部判決

≪ソースコードを抽象化・一般化した情報の使用は不正競争防止法2条1項7号にいう「使用」には該当しないとされた事例≫

平成25年7月16日判決(大阪地裁 平成23年(ワ)第8221号)
【判旨】
 ソフトウェアの非公知性については、特殊な機能ないし特徴的な処理であれば格別、そうでない場合には現実のコードそのものに限られる。
 ソースコードそのものに非公知性が限られる場合に当該コードに表現されるロジックを,被告らにおいて解釈し、参照ソースコードの記述そのものとは異なる抽象化、一般化された情報の使用は、不正競争防止法2条1項7号にいう「使用」には該当しない。
【キーワード】
不正競争防止法第2条1項7号、不正競争防止法第2条1項8号、営業秘密、ソースコード

≪特許庁の施策情報は運用を記載したものであり、当該記載において特許庁を拘束するもおではないとされた事例≫

平成25年10月16日判決(最高裁 平成25年(行ケ)第10064号)
【判旨】
施策情報の上記の記載が,審尋に対する回答書に記載された補正案が「一見して特許可能であることが明白である場合」に,当該補正案を当然に審理の対象とすることを意味するものと解することはできないと判断した事例。
【キーワード】
前置報告(書)、特許庁の施策、前置報告を利用した審尋

≪新規事項の追加にあたらないとされた事例≫

平成25年9月10日(知財高裁 平成24年(行ケ)第10425号)
【ポイント】
 当初明細書の趣旨が全体として舵取機室に主眼を置かれているとしても、バラスト水処理装置を「非防爆エリア」に配設する構成によって「各種制御機器や電気機器類の制約が少なくてすむ」という効果を奏する、ひとまとまりの技術的思想が実質的に記載されている以上、特許法17条の2第3項の要件を満たさないとした審決の判断は誤りであるとして、審決を取り消した事例
【関連条文】
特許法17条の2第3項

《業務用加湿器の商品形態が商品等表示(不正競争防止法2条1項1号)に該当しないとされた事例》

平成25年3月27日判決(東京地裁 平成23年(ワ)第30566号)
【判旨】
商品形態の商品等表示性は、特別顕著性及び周知性を充足するか否かにより判断されるところ、原告商品(業務用加湿器)の商品形態は、いずれも充足しないから、「商品等表示」には当たらない。
【キーワード】
商品形態 商品等表示 不正競争防止法2条1項1号

《角質除去具の商品形態が商品等表示(不正競争防止法2条1項1号)に該当するとされた事例》

平成22年9月17日(東京地裁 平成20年(ワ)第25956号/平成23年3月24日(知財高裁 平成22年(ネ)第10077号)
【判旨】
商品形態の商品等表示性は、特別顕著性及び周知性を充足するか否かにより判断されるところ、原告商品(角質除去具)の商品形態は、いずれも充足するから、「商品等表示」に当たる。
【キーワード】
商品形態 商品等表示 不正競争防止法2条1項1号

≪テレビ台の商品形態が商品等表示(不正競争防止法2条1項1号)に該当しないとされた事例≫

平成25年9月19日判決(大阪地裁 平成24年(行ワ)第13282号)
【判旨】
商品形態の商品等表示性は、特別顕著性及び周知性を充足するか否かにより判断されるところ、原告商品(テレビ台)の商品形態は、いずれも充足しないから、「商品等表示」には当たらない。
【キーワード】
商品形態 商品等表示 不正競争防止法2条1項1号

≪被告製品中で経時的に所定の化合物(原告特許発明の構成要件A)が生じるとしても、被告製品自体は原告特許発明とは別の技術に分類されるので、被告製品は原告特許を侵害しない≫

平成24年9月13日判決(知財高裁 平成23年(行ネ)第10074号)
【判旨】
 被告両製品と本件発明は,歯科用アイオノマー系樹脂液体成分へのアプローチとしては別のタイプに分類される技術に基づいており,被告両製品は,エステル化反応を必要とせずに硬化するものであり,その液体成分中で経時的にエステル化が生じることがあるとしても,それは本来意図された反応ではなく,二重結合を有するポリカルボン酸は偶発的に生じた不純物にすぎないものといえる。そうすると,被告両製品は,偶発的にエステル化し,二重結合を有するポリカルボン酸が生ずる可能性があるとしても,その不飽和部分が互いに重合可能であるとともに,その酸基又は酸誘導基が成分(b)とセメント反応をなすように選択された成分(a)を含むものとはいえず,本件発明の構成要件Eを充足しない。
【キーワード】
 特許法70条、知財高裁3部判決

≪新規事項の追加にあたらないとされた事例≫

平成25年8月8日判決 (知財高裁 平成24年(行ケ)第10307号)
【ポイント】
当初明細書に明示的な記載がない事項であっても、発明の課題、特徴を参酌して、当該事項が行われていると理解するのが自然であり、明細書の他の記載とも整合するとして、特許法17条の2第3項の要件を満たさないとした審決の判断は誤りであるとした事例
【関連条文】
特許法17条の2第3項

≪引用発明の認定に誤りがあるとして審決が取り消された事例≫

平成25年11月14日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10086号)
原告 マイクロソフト コーポレーション
被告 特許庁長官

≪子供用いすの商品形態が商品等表示(不正競争防止法2条1項1号)に該当するとされた事例≫

平成22年11月18日判決(東京地裁 平成21年(行ワ)第1193号)
【判旨】
原告商品(子供用いす)の商品形態は、「商品等表示」には当たる。
【キーワード】
商品形態 商品等表示 不正競争防止法2条1項1号

≪本訴が前訴等の蒸し返しに当たり、訴訟物を異にするものとしても許されず却下するとされた事例≫

平成25年10月18日判決(東京地裁 平成25年(行ワ)第13223号)
【判旨】
訴訟物を異にするものの,債権の発生原因として主張する事実関係がほぼ同一であって,前訴等及び本訴の訴訟経過に照らし,実質的には敗訴に終わった前訴等の請求及び主張の蒸し返しに当たる訴えにも及び,その訴えも同様に信義則に反して許されない。
【キーワード】
テレホンカード、金銭の数量的一部請求、既判力、訴訟物

≪清音と濁音の違いのみの商標について、非類似であるとされた事例≫

平成25年10月10日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10126号)
【ポイント】
被告登録商標「きょロッケ」(第29類)に対して、原告が原告登録商標「魚ロッケ」(第29類等)を引用商標として商標法4条1項11号違反を理由に商標登録無効審判を請求したが不成立となった審決に対し、本件商標は引用商標と類似しない等の理由により、審決を維持して原告の請求を棄却した事例
【キーワード】
商標法4条1項11号

≪動画投稿サイトに著作権を侵害する投稿がされたとして、プロバイダ責任制限法4条1項の発信者情報の開示請求が認められた事例≫

平成25年10月22日判決(知財高裁 平成25年(ワ)第15365号)
【判旨】
 本件動画(被告の提供するインターネット接続サービスを利用し、被告のサーバを経由して投稿された動画)を作成して本件サイト(「ニコニコ動画」)に投稿する行為は,原告動画(原告に著作権が譲渡されたとする動画)のうち少なくとも原告動画の部分1及び4についての複製権及び公衆送信権を侵害するものということができる。そして,本件の関係各証拠上,著作権侵害を否定すべき事情は何らうかがわれないから,本件動画の本件サイトへの投稿により,原告の著作権が侵害されたことは明らかであると判断することが相当である。
 原告が原告動画の著作権を侵害した者に対して損害賠償請求権を行使するためには,本件動画の発信者その他本件動画の送信に係る者の氏名又は名称,住所及び電子メールアドレスを取得することが必要であると認められるから,原告にはこれら発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるということができる。
【キーワード】
 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項、プロバイダ責任制限法4条1項、発信者情報の開示請求、映画の著作物、著作権侵害,東京地裁46部判決

≪いわゆる自炊代行サービス提供者の著作権侵害責任が肯定された事例≫

平成25年9月30日判決(東京地裁 平成24年(行ワ)第33535号)
【判旨】
 本件における自炊代行サービスは,書籍を電子ファイル化するという点に特色があり,電子ファイル化の作業が複製における枢要な行為というべきであるところ,その枢要な行為をしているのは自炊代行サービス提供者であるから、同サービス提供者を複製の主体と認めるのが相当である。
【キーワード】
 自炊、自炊代行、利用主体、私的複製、著作権法30条1項

≪「埋め込み」形式の動画へのリンクにつき著作権侵害責任が否定された事例≫

平成25年6月20日判決(大阪地裁 平成23年(ワ)第15245号)
【キーワード】
 動画,リンク,公衆送信権
【判旨】
 「埋め込み」形式で第三社の著作権を侵害する動画にリンクを貼っても,著作権者から抗議を受けた後に直ちに当該リンクを削除した場合には,著作権侵害責任は生じない。

≪発明未完成及び記載不備が争われた事例≫

平成25年11月12日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10061号)
原告 たいまつ食品株式会社
    マルシン食品株式会社
    株式会社丸一オザワ
被告 越後製菓株式会社

≪商標の一部である「江戸切子」を要部として抽出することが許されるとされた事例≫

平成25年9月25日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10045号)
【ポイント】
指定商品を「切子模様を備えるクリスタルガラス製品,切子模様を備えるグラス,切子模様を備えるコップ類…」とする本願商標「カガミクリスタル江戸切子」から「江戸切子」部分を要部として抽出し,引用商標である地域団体商標「江戸切子」と類似すると判断した審決の判断を維持した事例
【関連条文】
商標法4条1項11号

≪エルボカバーの考案につき、先願発明との差が“設計上の微差”であるとの特許庁の判断が誤りとされた事例≫

平成25年10月17日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10107号)
【判旨】
 審決が認定した周知技術は,本件考案1とは直接の関連性がないものであって,これを先願発明に適用しても本件考案と実質的に同一となるものではない。・・・相違点判断に関する審決の判断過程には誤りがあり,その余の点について判断するまでもなく,取消事由2には理由がある。
【キーワード】
 審決取消訴訟、実質同一、設計上の微差、相違点判断に関する審決の認定の誤り、実用新案法3条の2,知財高裁2部判決

≪「フリー素材」であると誤信して写真著作物を利用した場合の過失≫

平成24年12月21日判決(東京地裁 平成23年(ワ)第32584号)
【判旨】 
著作権者の許諾が得られた素材であると誤信してウェブサイト上に掲載されている写真著作物を利用した場合であっても,著作権者が当該写真著作物の利用に許諾を与えていなかった場合,利用者は著作権侵害についての過失責任を負う。
【キーワード】
著作権侵害,過失,フリー素材,誤信

≪商標法4条1項10号における周知性の判断≫

平成25年9月24日判決(知財高裁 平成25年(行ケ)第10122号)
【ポイント】
未登録商標「オルトリリー」は、日本国内において周知であり、本願商標「オルトリリー」は商標法4条1項10号に該当するとした審決の判断を維持した事例
【関連条文】
商標法4条1項10号

≪DVDの第1譲渡契約が解除された場合と消尽の成否・過失≫

平成24年7月11日判決(東京地裁 平成22年(ワ)第44305号)
【判旨】
① 映画著作物に関する第1譲渡が有効に解除された場合には,適法な第1譲渡があったものとはいえず,第2譲渡について消尽を論じる余地はない。
② 映画著作物が転々流通した場合において,第1譲渡が有効に解除された場合であっても,第1譲渡が解除される前に行われた第2譲渡については,著作権侵害についての過失は認められない。
【キーワード】
著作権,消尽,解除,過失

≪「著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為」(著作権法113条6項)該当性が認められた事例≫

平成25年7月16日判決(東京地裁 平成24年(ワ)第24571号)
【判旨】
政治的傾向ないし思想的立場からの一面的な評価を受けるおそれを生じさせる態様で著作物を利用する行為は,「著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為」(著作権法113条6項)に該当する。
【キーワード】
名誉又は声望を害する方法、著作権法113条6項、著作者人格権

≪不使用取消審判の「使用」について、流通業者等が登録商標を使用する場合も含むとされた事例≫

平成25年3月25日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10310号)
【ポイント】
被告登録商標「Fashion Walker」(第25類)に対して、訴外会社が不使用取消審判を請求したが不成立となった審決に対し、参加人である原告が審決取消訴訟を提起したところ、審決を維持して原告の請求を棄却した事例
【キーワード】
商標法50条

≪パブリシティ権の法的性質,侵害要件について判示した最高裁判決~ピンクレディ上告審~≫

平成24年2月2日判決(最高裁第一小法廷 民集66巻2号89頁)
【判旨】
① 人の氏名,肖像等は,個人の人格の象徴であるから,当該個人は,人格権に由来するものとして,これをみだりに利用されない権利を有する。
② 肖像等を無断で使用する行為は,〔1〕肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し,〔2〕商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付し,〔3〕肖像等を商品等の広告として使用するなど,専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とするといえる場合に,パブリシティ権を侵害するものとして,不法行為法上違法となる。
【キーワード】
パブリシティ権,人格権,肖像,ピンクレディ

≪著名商標を一部に含む商標について、分離観察が許されないとした事例≫

平成25年4月18日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10360号)
【ポイント】
標準文字からなる被告登録商標「インテルグロー」(第19類及び第37類)(以下「本件商標」という。)に対して,原告が原告登録商標「INTEL」等(以下「引用商標」という。)を引用商標として商標法4条1項7号,8号,11号,15号,19号違反を理由に商標登録無効審判を請求したが不成立となった審決に対し,本件商標は引用商標と類似しない等の理由により,審決を維持して原告の請求を棄却した事例
【キーワード】
商標法4条1項7号,8号,11号,15号

≪商標「ほっとレモン」について、品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とした事例≫

平成25年8月28日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10352号)
【ポイント】
下記の構成からなる原告登録商標「ほっとレモン」(第32類)(以下「本件商標」という。)に対して、訴外サントリーホールディングス株式会社及びキリンホールディングス株式会社が、商標法3条1項3号等を理由に登録異議の申立てを行ったところ、特許庁は本件商標の商標登録を取り消す旨の決定をしたので、原告が決定の取消しを求めて出訴したが、本件商標は3条1項3号に該当し、3条2項に該当しないとの理由により、決定を維持して原告の請求を棄却した事例

【キーワード】
商標法3条1項3号、2項

平成25年5月9日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10213号、第10220号)

平成25年4月24日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10336号)

≪結合商標の類否について判示された、知財高裁の判例です≫
【ポイント】
被告登録商標「NINA L’ELIXIR」(第3類)(以下「本件商標」という。)に対して、原告が原告登録商標「ELIXIR」(第3類)等(以下「引用商標」という。)を引用商標として商標法4条1項11号、15号違反を理由に商標登録無効審判を請求したが不成立となった審決に対し、本件商標は引用商標と類似しない等の理由により、審決を維持して原告の請求を棄却した事例
【キーワード】
商標法4条1項11号、15号

平成25年4月18日判決(大阪地裁 平成24年(ワ)第9969号)

≪星座板に関する著作権侵害の成否について判示した事例≫
【判旨】
①原告星座板と被告星座板の一致点は,いずれも表現上の選択の幅が狭く,ありふれた又は平凡な表現であって創作性がない部分に過ぎないから,複製権侵害は成立しない。
②被告星座板と原告星座板が実質的に同一の形態(デッドコピー)であるとしても,このような被告星座板を作成,頒布する被告の行為は,著作権法が規律の対象とする著作物の利用による利益とは異なる「法的に保護された利益」を侵害するものとはいえない。
【キーワード】
創作性,表現上の選択の幅,一般不法行為

平成25年6月6日判決(知財高裁 平成24年(ネ)第10094号)

≪機能的フレームの解釈について判示された、知財高裁の裁判例です。≫
【判旨】
 被告各製品は,少なくとも,本件特許発明1の構成要件B,D及びEを文言上充足せず,文言侵害は成立しない。
【キーワード】
 特許権侵害,機能的クレーム,特許法70条,知財高裁4部判決

平成23年7月21日判決(東京地裁 平成22年(ワ)第46918号)

≪会社法8条1項の保護対象に他人の商標が含まれると判示した事例≫
【判旨】
①会社法8条1項による保護対象には、他の会社の商号に加えて、他の会社の商品名や商標等も含まれる。
②会社法8条1項にいう「不正の目的」とは、不正な行為や状態を欲する意思を要し、具体的には、他の会社を害する目的や違法性のある目的、公序良俗に反する目的等をいう。
【キーワード】
会社法8条、商標、商号、不正の目的

平成25年6月13日判決(大阪地裁 平成23年(ワ)第11694号)

≪「特許を受ける権利の譲渡の対価を3500万円とする合意の成立は認められない」とする大阪地裁の裁判例です。≫
【判旨】
 本件においては,原告が主張するような,本件譲渡の対価に関する合意が成立したとは認められない。
【キーワード】
 特許権を受ける権利の譲渡契約の対価,職務発明,特許法35条,大阪地裁第21民事部判決

第2審:平成25年3月28日判決(知財高裁 平成24年(ネ)第10067号) / 第1審:平成24年7月19日判決(東京地裁 平成23年(ワ)第7924号)

【判旨】
原告(控訴人)の商品等表示である「日本車両」(商号は、日本車輌製造株式会社)は周知であるから、被告(被控訴人)「日本車両リサイクル株式会社」を使用する行為は、原告の事業と混同を生じさせ、不正競争行為に該当する。
【キーワード】
不正競争 周知性 業務関連性

平成25年5月23日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10243号)

【判旨】
 本願発明に係る特許請求の範囲に記載された「cは0を含まない0~0.8である」との文言について,その技術的意義が一義的に明確に理解することができないものということはできないし,原告が挙げる本願明細書の記載(【0012】)に照らしても,一見して特許請求の範囲の上記文言が誤記であるということもできないから,本願発明の認定は,特許請求の範囲の記載に基づいてなされるべきである。
そうすると,本願発明に係る特許請求の範囲の上記文言は,cが0に限りなく近い小さな値から0.8の範囲であることを意味するものというべきであって,原告の主張は,採用することができない。
【キーワード】
発明の要旨認定,リパーゼ判決,進歩性,特許法29条2項,4部判決

平成25年3月25日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10261号)

【判旨】
代理人弁理士が代理人弁理士としての職務を遂行する能力及び特許拒絶査定の謄本の送達を受ける能力を失っていたとして、審決を取り消した事例
【キーワード】
民法111条1項2号、特許法50条、特許法121条1項

平成25年5月16日判決(東京地裁 平成24年(ワ)第14905号)

【判旨】
 本件各発明は職務発明(特許法35条1項)に当たるから,本件各発明について特許を受ける権利は,本件発明考案規定に基づき,遅くとも本件各発明の特許出願がされた平成22年1月4日までに,原告からテクノリサーチ社に承継されたと認められる。
【キーワード】
 職務発明,自由発明,特許法35条1項,2項,東京地裁民事第46部判決

平成25年1月15日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10160号、第10204号)

【判旨】
特許無効審決において有効とされた特許について、当該審決の取消訴訟においても当該審決が維持された事案。
特許無効審決後に当該特許権が譲渡され、無効審決の名宛人と取消訴訟の当事者が異なったため、当該名宛人を提訴後、譲受人が訴訟参加し名宛人が脱退した事案。
【キーワード】
クレーム解釈、訴訟脱退、訴訟参加

平成25年1月10日判決(知財高裁 平成23年(行ケ)第10414号)

【ポイント】
特許出願に添付の図面は設計図ではなく説明図にとどまり、これにより各部分の寸法や角度等が特定されるものではないものとして引用発明が認定され進歩性が肯定された審決が、同図面から寸法等が特定し得るとして審決取消訴訟で取り消された事例。
【キーワード】
進歩性、用途の相違、動機づけ、引用発明の認定
 

平成25年2月27日判決(知財高裁 平成23年(行ケ)第10221号)

【ポイント】
構成成分は同一であり、その構成成分の一つが主成分であるか(本件特許)、不純物であるか(引用発明1)という点が相違点である場合に、進歩性ありとされた審決が取り消された事例。
【キーワード】
進歩性、数値限定発明
 

平成25年2月19日判決(大阪地裁 平成23年(ワ)第13469号)

【ポイント】
被告製品は本件特許発明の技術的範囲に属するが、進歩性欠如を理由に無効とされるべきものであるから特許権に基づく権利行使が否定された事例。
【キーワード】
無効の抗弁
 

平成25年2月19日(東京地裁 平成22年(ワ)第28813号)

【判旨】
被告が原告に対して各特許権について移転登録手続きを求める権利を有しないことを確認するという確認訴訟について、訴えの利益がなく当該訴えを却下すると判断した事案。
【キーワード】
特許法33条、特許を受ける権利、国際裁判管轄、準拠法、民事訴訟法118条、民事執行法24条

平成25年1月31日(知財高裁判決 平成24年(行ケ)第10020号)

【ポイント】
実施可能要件(特許法36条4項1号)違反とされた審決が審決取消訴訟で取り消された事例。
【キーワード】
実施可能要件、未完成発明
 

平成25年1月24日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10285号)

【ポイント】
原告が出願した第30類「あずきを加味してなる菓子」を指定商品とする「あずきバー」という標準文字からなる商標について,原告の商品として高い知名度を獲得しているものと認められるから,本件商品の商品名を標準文字で表す本願商標は,指定商品に使用された結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認められ,かつ,本願商標は,商品の品質に誤認を生じるおそれがある商標ということはできないとして,審決を取り消した事例
【キーワード】
商標法3条1項3号,商標法3条2項,商標法4条1項16号
 

平成24年2月22日判決(知財高裁 平成23年(行ケ)第10178号)

【判旨】
本件補正事項を含む本件補正は,法17条の2第4項(現行法の5項)の規定に違反するものであるとして,これを却下すべきものであるとした本件審決の判断に誤りはない。本願発明は,引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
【キーワード】
パラメータ特許、特許請求の範囲の減縮、特許法17条の2第5項、進歩性、特許法29条2項、4部判決
 

平成24年1月19日判決(知財高裁 平成23年(行ケ)第10194号)

【判旨】
本件商標の登録出願は,被告の承諾を得ないで本件商標の登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった者と同等の地位にあった商標権者によってされたものであり、本件商標登録は,「正当な理由がないのに,その商標に関する権利を有する者の承諾を得ないで」されたものであると認定するのが相当であるから、商標法53条の2の規定により取り消されるべきものである。
【キーワード】
商標登録の取消しの審判、商標法53条の2、3部判決
 

平成24年12月26日判決(知財高裁 平成24年(ネ)100069号)

【ポイント】
本件のポイントは、商品形態が特別顕著性及び周知性を具備する場合には、不正競争防止法2条1項1号にいう「商品等表示」に該当すると判断したことである。
【キーワード】
商品形態 商品等表示 特別顕著性 周知性

平成24年12月5日判決(知財高裁 平成24年(ネ)第10056号)

【ポイント】
本件特許発明の構成要件を充足しないことを理由に差止請求・損害賠償請求を棄却した事例。
【キーワード】
技術的範囲、構成要件
 

平成24年12月25日判決(大阪地裁 平成23年(ワ)第5010号)

【判旨】
原告の請求を棄却する。
【キーワード】
不正競争防止法第2条1項3号、デッドコピー、保護主体

平成24年10月18日判決(知財高裁 平成24年(ネ)第10034号)

【ポイント】
特許権の共有権者同士の人的関係から、黙示の実施許諾があったものとして、特許権に基づく不当利得返還請求が認められなかった事案。
【キーワード】
黙示の実施許諾、特許権の共有
 

平成24年12月6日判決(東京地裁 平成24年(行ウ)第383号)

【判旨】
原告が本件原出願の分割出願(平成12年2月15日、平成18年改正特許法44条2項により、同日に出願したものとみなされる。)をしたのは,本件原出願についての特許査定の送達がされた平成23年1月28日より後の同年2月10日であるから,本件出願は,平成14年改正特許法44条1項の定める出願期間経過後にされたもので,不適法である。
【キーワード】
分割出願、適用条項、特許法44条2項、特許法改正附則、特許法等の一部を改正する法律(平成14年法律第24号。以下「平成14年改正法」という。関係部分につき平成15年7月1日施行。)、意匠法等の一部を改正する法律(平成18年法律第55号。以下「平成18年改正法」という。関係部分につき平成19年4月1日施行。)

平成24年10月17日判決(知財高裁 平成24年(ネ)第10005号)

【ポイント】
技術情報の保持権限がXにないとして、当該技術情報につき秘密管理性がなく、Xの営業秘密でないとされた事例。
【キーワード】
営業秘密、不正競争防止法

平成24年10月11日判決(知財高裁 平成24年(ネ)第10018号)

【ポイント】
類似する4つの構成のうちの1つの構成を変更したことをもって均等第1要件の「本質的部分」の変更にあたるとして、均等第1要件を否定した事例。
【キーワード】
均等第1要件、本質的部分

平成24年9月28日判決(東京地裁 平成23年(ワ)第6904号)

【判旨】
特許法第35条第3項の「相当の対価」につき、被告には就業規則に「協議のうえ定めた額」と定められた職務発明規程しか存しなかった場合に、裁判所が同条第5項に従って「相当の対価」を算定した事例
【キーワード】
職務発明、対価、特許法35条、就業規則
 

平成24年8月31日判決(東京地裁 平成23年(ワ)第27941号)

【判旨】
①本件発明における「メディア」ないし「メディアアイテム」とは,音楽,ビデオ,画像などのメディアプレーヤーで再生可能なコンテンツを意味し,「メディア情報」とは,そのようなメディアないしメディアアイテムの属性又は特徴をいい,そこに少なくともタイトル名,アーチスト名及び品質上の特徴を備えるものをいうと解することができる。
②本件発明における「メディア情報」とは,一般的なファイル情報の全てを包含するものではなく,音楽,映像,画像等のメディアアイテムに関する種々の情報のうち,メディアアイテムに特有の情報を意味するものと解するのが相当である。
③被告製品では、ファイルサイズの比較を行ってシンクロを行うが、本件発明では、少なくともタイトル名、アーチスト名及び品質上の特徴からなるメディア情報の比較を行ってシンクロを行う。そして、ファイルサイズは、上記①及び②の解釈からすると、「メディア情報」には該当しない。よって、被告製品は、本件発明に該当しない。
【キーワード】
同期、メディア情報

平成24年8月9日判決(知財高裁 平成23年(ネ)第10057号)

【ポイント】
プロダクト・バイ・プロセス・クレームの技術的範囲の解釈、発明の要旨認定において、物の発明の技術的範囲は当該製法により製造された物に限定解釈されるべきだが、「物の構造又は特性により直接的に特定することが出願時において不可能又は困難であるとの事情が存在するとき」は、当該製法に限定されず、「物」一般に及ぶと解釈され、無効の有無を判断する前提とする発明の要旨の認定も、同様に認定すべきとした事例。
【キーワード】
プロダクト・バイ・プロセス・クレーム、技術的範囲の解釈、製造方法による物の発明の特定

平成23年3月24日判決(知財高裁 平成22年(行ケ)第10356号)

【判旨】
指定商品を「黒糖を使用した棒状形のドーナツ菓子」とする「黒糖ドーナツ棒」との文字を手書き風の文字で2列に縦書きしてなる登録商標(本件商標)の商標法3条2項の該当性を認めた本件審決の判断に誤りはない。
【キーワード】
商標法3条1項3号、商標法3条2項、使用による識別性、4部判決

平成23年1月20日判決(最高裁判所第1小法廷判決 平成21年(受)第788号)

【判旨】
放送番組等の複製物を取得することを可能にするサービスにおいて,サービスを提供する者が,その管理,支配下において,テレビアンテナで受信した放送を複製の機能を有する機器に入力していて,当該複製機器に録画の指示がされると放送番組等の複製が自動的に行われる場合には,その録画の指示を当該サービスの利用者がするものであっても,サービス提供者はその複製の主体であると解するのが相当である。
【キーワード】
主体、管理、支配、複製、カラオケ法理

平成24年6月26日判決(知財高裁 平成23年(行ケ)第10198号)

【判旨】
本願発明(口腔内分散性医薬製剤)は,引用発明,引用例2に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであり,特許法29条2項により特許を受けることができないとした審決の判断に誤りはない。
【キーワード】
進歩性、特許法29条2項、3部判決
 

平成24年8月8日判決(知財高裁 平成24年(ネ)第10027号)

【判旨】
・被告作品の魚の引き寄せ画面は,アイデアなど表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において原告作品の魚の引き寄せ画面と同一性を有するにすぎないものというほかなく,これに接する者が原告作品の魚の引き寄せ画面の表現上の本質的な特徴を直接感得することはできないから,翻案に当たらない。
・被告作品の画面の変遷並びに素材の選択及び配列は,アイデアなど表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において原告作品のそれと同一性を有するにすぎないものというほかなく,これに接する者が原告作品の画面の変遷並びに素材の選択及び配列の表現上の本質的な特徴を直接感得することはできないから,翻案に当たらない。
【キーワード】
アイデア・表現二分論 

平成24年6月26日判決(知財高裁 平成23年(行ケ)第10316号)

【判旨】
半導体装置の製造方法に係る本願発明につき、当業者が,引用発明(引用例1に記載された発明)に引用例2及び引用例3に記載された発明を組み合わせることにより,本願発明と引用発明との相違点に容易に至るとは認められず、この点を容易想到と認定した審決は取り消されるべきである。
【キーワード】
進歩性、特許法29条2項、1部判決
 

平成24年4月25日判決(知財高裁 平成23年(ネ)第10089号)

【判旨】
・作成すべき画像のイメージを記載した大学教授作成の絵コンテやメモによる具体的指示に基づき作成された画像の著作者は,本件各画像の基本的な構成を決定し,その後の具体的な作成作業を主導的に行った当該教授である。
・書籍中の画像を複製して掲載する箇所の記述の最終的な内容を著作権者自身が確認し,了承することをもって,利用を許諾する条件としていた場合において,一方的に決めた期限までに著作権者から返事がなかったのに,その最終的な確認をとることもなく,書籍を発行した行為が,複製権及び譲渡権の侵害に当たるとされた事例
【キーワード】
著作権の帰属大学教授利用許諾

平成24年6月26日判決(知財高裁 平成23年(行ケ)第10299号)

【判旨】
審決が、本件補正を却下した点には誤りがあるが,本願補正発明は引用文献に記載された発明及び周知技術に基づき容易に想到できたと判断した点に誤りはなく,本件補正却下の誤りは審決の結論に影響を及ぼすものではないから,審決を取り消すべきとはいえない。
【キーワード】
補正、補正却下、拒絶査定不服審判時の補正、明細書の補正、進歩性、特許法17条の2第4項、特許法29条2項、3部判決
 

平成22年4月28日判決(知財高裁 平成21年(ネ)第10028号事件)

【判旨】
 共有特許の侵害行為に対する損害額の算定方法について、特許権の共有者は、持分権にかかわらず特許発明全部を実施できるものであるから、特許権の侵害行為による損害額も特許権の共有持ち分に比例するものではなく、実施の程度の比に応じて算定されるべきものであり、特許法102条2項による場合も同様と判断した事例。
【キーワード】
共有特許 損害額 特許法102条2項
 

平成23年10月3日判決(大阪地裁 平成22年(ワ)第9684号)

【判旨】
原告商品の形態が、商品の実質的機能を達成するための構成に由来する形態であるとして、不正競争防止法第2条第1項第1号の商品等表示に該当しないとした。
商品の独占的販売権者についても、不正競争防止法第2条第1項第3号による保護の主体になるとして、同法第4条に基づく損害賠償請求を認めた。
【キーワード】
不正競争防止法第2条第1項第1号、商品の形態、商品の機能、商品表示、不正競争防止法第2条第1項第3号、不正競争防止法第4条、独占的販売権者、保護の主体

平成21年3月11日判決(知財高裁 平成19年(ネ)第10025号)

【判旨】
特許権の独占的通常実施権者が侵害者の実施行為によって受けた損害についても、特許法第102条第1項を類推適用することができるとして、同項に基づく独占的通常実施権者の損害賠償請求を認めた。
【キーワード】
独占的通常実施権者、特許法第102条第1項

平成24年6月6日判決(知財高裁 平成23年(行ケ)第10254号)

【判旨】
食塩濃度、カリウム濃度、窒素濃度、及び窒素/カリウムの重量比を規定した「減塩醤油類」に係る特許発明につき、発明の詳細な説明は、当業者が当該特許発明の課題(塩味がより強く感じられ,味が良好であって,カリウム含量が増加した場合にも苦味が低減できる減塩醤油を得る)を解決できると認識できる程度に記載されているとして、サポート要件が満たされている(実施可能要件も肯定)とした事例
【キーワード】
数値限定、実施可能要件、サポート要件、サポート要件の規範、4部判決

平成22年2月24日判決(知財高裁 平成21年(ネ)第10017号事件)

【判旨】
X社(原告・控訴人)が就業規則等に基づき従業者Aから特許を受ける権利の譲渡を受けた本件発明につき,AがX社退職後Y社(被告・被控訴人)に入社し,Y社に特許を受ける権利を譲渡してY社において特許出願した事案について,Y社は「背信的悪意者」に当たるとして,X社からY社に対する,X社が特許を受ける権利を有することの確認請求が認容された事例。
【キーワード】
背信的悪意者、特許を受ける権利の譲渡
 
 

平成24年1月24日判決(知財高裁 平成22年(ネ)第10032号、平成22年(ネ)第10041号)

【ポイント】
特許法102条1項但書「販売することができない事情」として主として競合品の存在を理由として侵害製品の譲渡数量の40%に減額した上、「寄与率」を50%としてさらに減額し、控除後の割合を20%と認定した事例。
【キーワード】
特許法102条1項但書、寄与率
 

平成24年5月16日判決(知財高裁 平成24年(行ケ)第10244号)

【判旨】
被告の登録商標「三相乳化」につき、商標法50条1項に基づく不使用取消審判の不成立審決に対する審決取消訴訟において、パンフレット等における使用の事実を認め、不成立審決に誤りはないとした事案。
【キーワード】
商標、不使用取消審判、商標の使用、商標的使用態様、広告、パンフレット、商標法50条、2部判決

平成24年5月31日判決(東京地裁 平成21年(ワ)第17937号)

【ポイント】
被告が通信システムの標準規格に含まれる方法を実施しているとは認められず、被告方法が本件発明の技術的範囲に属さず、被告方法の使用に用いられる被告機器の販売等が本件特許権の間接侵害に該当しないとされた事例。
【キーワード】
通信規格と特許権侵害、被告方法の特定・立証
 

平成24年3月22日判決(知財高裁 平成23年(ネ)第10002号)

【判旨】
 「餅事件」の終局判決(損害論)である。知財高裁は、特許法102条2項に基づく損害額として8億275万9264円を認定した。
【キーワード】
 餅事件、切り餅事件、損害論、特許法102条2項、3部判決

平成24年3月14日判決(知財高裁 平成23年(ネ)第10035号)

【判旨】
実用新案権侵害訴訟において均等侵害の成否が争われた事案で、裁判所は、実用新案についても均等論に適用はあるとしたうえで、本件ではイ号製品が均等第2要件(置換可能性)を充足しないことを理由に、均等侵害を認めなかった。
【キーワード】
均等 第2要件 置換可能性 作用効果
 

平成24年3月26日判決(東京地裁 平成21年(ワ)第17848号)

【ポイント】
ソフトウェアに関する方法特許「医療用可視画像の生成方法」につき、被告方法は、仮に構成要件を充足する使用方法があるとしても、当該使用方法は極めて例外的なものであり、被告のごく少数回の使用回数に当該極めて例外的な態様で実施されることに立証がないから、直接侵害が成立しない。
【キーワード】
ソフトウェア特許、侵害
 

平成23年12月26日判決(知財高裁 平成23年(ネ)第10038号)

【判旨】
テレビドラマの番組ホームページに「吹きゴマ」の折り図を掲載した被控訴人(被告)の行為は、控訴人(原告)の書籍に掲載された「へんしんふきごま」の折り図を複製又は翻案したものであり、著作権及び著作者人格権の侵害に当たると主張したところ、判決は被控訴人の折り図から原告折り図の表現上の本質的特徴を直接感得することができないとして、請求を棄却した
【キーワード】
本質的特徴 直接感得 思想・表現二分論
 

平成24年4月11日判決(知財高裁 平成23年(行ケ)第10186号)

【判旨】
硬質塩化ビニル系樹脂管のパラメータ特許につき、主引例との相違点(パラメータ値)が容易想到ではないと判断した審決に対して、出願前に製造販売された塩化ビニル系樹脂管が当該パラメータ値を満たしていると推認できるため、当該判断に誤りがあるとして、無効審判の不成立審決を取り消した事例
【キーワード】
パラメータ特許、進歩性、公用、再現実験、特許法29条、2部判決

平成24年3月22日判決(大阪地裁 平成21年(ワ)第15096号)

【判旨】
特許権侵害訴訟において、被告物件(イ号製品)の海外向け販売分に係る本件特許発明の実施行為の有無が争点となった事例で、裁判所は、被告が,日本国内においてした被告物件の販売を巡る一連の行為につい