弁護士を選ぶ際には,弁護士報酬は,大きな要素の一つとなるでしょう。
弁護士報酬については, 【気になる費用はどのくらい?

もう一つの大きな要素は,専門性・経験でしょう。
特許権侵害訴訟は,技術的事項が争点になります。
一部の知財専門の弁護士を除き,多くの弁護士は技術に慣れ親しんでいないため,技術面のサポートのため弁理士にも代理人・補佐人として加わってもらう必要がありますが,弁護士と弁理士との間の意思疎通が十分にできずに負けてしまったというようなことも実際にあります。

この点,知財専門の弁護士,中でも,理系のバックグラウンドを持つ知財弁護士を選ぶことにより,専門性の問題は解決することができます(ちなみに,米国の特許弁護士(Patent Attorney)は,全員理工系の学士号を持っています。特許弁護士には,理系のバックグラウンドが求められているのです。)。
また,これにより,弁護士と弁理士との間の不十分な意思疎通という問題もなくなります。

では,知財専門の弁護士や理系出身の知財弁護士は,どのように探したらよいでしょうか。
弁護士(法律事務所)のホームページを見ると,知財は必ずといってよいほど取扱業務に含まれていますので,それだけでは分からないのではないでしょうか。

ただ,ホームページには,弁護士のプロフィールが掲載されていることが多いので,バックグラウンドを知ることはできます。
理系出身の弁護士の多くは,特許権侵害訴訟を自らの得意分野としていますので,参考になると思います。

さて,知財専門の弁護士をリストアップできた場合でも,注意しなければならないことがあります。それは「専門性」です。
「専門性」って,「知財専門」の弁護士を選んだじゃないか,と思われるかもしれません。
しかしながら,そうではありません。

「知財専門」といっても,「知財」には多くの種類があります。
「知財専門」の弁護士にもいろいろな人がいます。以下に例を挙げます。

  1. 特許法等の技術系訴訟の得意な弁護士
  2. IT関連の業務が得意な弁護士
  3. 著作権法(特にIT系でない従来の著作権法)の得意な弁護士
  4. 商標法,意匠法,不正競争防止法の得意な弁護士
  5. エンターテインメント関連の業務が得意な弁護士

1の弁護士は,技術的知識が豊富で,特許権侵害訴訟の代理人として選ぶのに適切です。
IT関連の特許権侵害訴訟の場合は,2の弁護士も候補に入ってくるでしょう。
逆に,3,4,5の弁護士を選ぶと,専門が合わず,経験が少ないという点で,問題が生じることもあり得ます。
したがって,弁護士について,ホームページ上のプロフィール,著書,過去の実績等を調べることも重要です。

USLFに在籍している知財専門弁護士の多くは,一流企業でのエンジニア経験や特許事務所勤務経験を有しており,弁理士としてのキャリアを持っています。高度な人材による弊所の紛争処理の切れ味をお試しください。