グループ会社においては,親会社やホールディングカンパニーに一括して知財を集中管理させる形態が増えているようです。
どうしてなのでしょうか。

知財の集中管理をすることによって,1.間接コストの削減,2.グループ全体としての知財戦略の実現というメリットがあると言われています。
特に,2の例としては,グループ全体の知財権をライセンス対象にすることによって,クロスライセンスをしたり,技術標準に特許を拠出する際に自社の地位を高めるなどの具体的な手法があり得ると思います。

他方,知財の集中管理はメリットばかりではなく,デメリットもあります。
まず,子会社から親会社に知財権を譲渡する際に,知財権の評価をどうするのかという問題です。
20年前は特に何の配慮も無償譲渡していましたが,近年では,親子会社間の資産移転に該当しますので,税務上の配慮が必要です。
知財権の譲渡なしに集中管理する方法もありますが,そもそも上記②のメリットを享受できるのか,という疑問があります。

これらをすべて解決する手法として、グループ企業内知財信託が整備されましたが、あまり活用されていないのが現状のようです。
また、グループ企業内知財信託の場合,職務発明報償については,いくつか留意点が必要です。

USLFにおいては,この問題に対する実績多数ございますので,詳細はぜひお問い合わせください。

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