NDAを締結するということは、必ずしも当社にとって一方的に有利なことばかりではありません。 当社にも相手方から受領した情報をNDA条項に沿って適切に管理する義務が生じます。 従って、相手方から受領した情報が第三者に流出したりしないように日々の管理をすることが必要になりますし、特許出願・論文発表・営業資料などに混入しないように細心の注意を払う必要があります。

また、相手方から受領した情報を受領するたびに、その情報がNDAの除外条項(機密情報に該当しない情報を列挙した条項)に該当しないかどうかチェックすることが必要です。 NDAには通常、以下のような除外条項が規定されています。

次の各号に掲げることを証明できる情報は、機密情報ではない。

  1. 秘密情報を知得した時に、公知となっている情報
  2. 秘密情報を知得した後に、受領当事者の責によらず公知となった情報
  3. 秘密情報を知得した時に、既に受領当事者が知得していた情報
  4. 秘密情報を知得した後に、受領当事者が秘密情報によることなく、独自に開発した情報
  5. 秘密情報を知得した後に、受領当事者が正当な権利を有する第三者から如何なる守秘義務も負うことなく、かつ、適法に入手した情報

例えば、受領した情報について、すでに社内で保有していた場合は上記3に該当します。 このような場合は、速やかに相手方に申し出て機密情報とはしないということを通知して、了承してもらう必要があります。

これを怠ったり、後でやろうとすると、技術情報の受領時点において社内で保有していたことの立証ができなくなり、相手方と紛争を生じることがあります。