【知財高裁平成30年10月23日(平30(ネ)10042号)】

【キーワード】
不正競争防止法2条1項2号,不正競争防止法5条2項,著名な商品等表示

事案の概要

(1)原告(控訴審においては被控訴人)
 原告(ルイ・ヴィトン・マルチェ)は,かばん類,袋物,靴,被服,アクセサリー類等の製造・販売等を業とする,フランス国内において設立された法人(フランス法人)である。原告は,平成5年9月6日以降,以下の標章について商標権(商標登録第1546254号,商標登録第1569597号)を保有している。

(2)被告(控訴審においては控訴人)
 被告は,「JUNKMANIA」の屋号で,ウェブページ及び店舗で衣服及び靴等の販売をしている個人である。
  被告は,平成25年3月から平成27年9月までの間,被告商品を,被告の運営する「JUNKMANIA」のウェブサイトにおいて,販売のために展示し,かつ販売するとともに,instagram及びtumblrのウェブサイトにおいて,販売のために展示した。

<被告商品(抜粋)>

   

争点

・不正競争防止法2条1項2号該当性
・原告の損害額

原判決判旨一部抜粋(下線は筆者による。また「別紙」は省略する。)

第1~第3 省略
第4 当裁判所の判断
1 認定事実
・・略・・
2 争点2(被告の行為が不正競争[不正競争防止法2条1項1号又は2号]に該当するか)について
(1)~(2)省略
(3)争点2-3(原告標章と被告各標章は同一又は類似か)
  不正競争防止法2条1項2号の「類似」に該当するか否かは,取引の実情の下において,需要者又は取引者が,両者の外観,称呼又は観念に基づく印象,記憶,連想等から両者を全体的に類似のものと受け取るおそれがあるか否かを基準に判断すべきである。
  前記認定のとおり,原告標章と被告各標章は数種類の記号の集合体であり,特段の称呼及び観念は生じないから,それらの外観について検討する。そして,被告標章・・は,原告標章を構成する原告記号・・と同一の記号により構成され,その配置も原告標章と同一なものの一部分であり,・・原告標章と同様に,被告各商品に応じて被告各標章の一部を切り取って商品に付されて使用されている。そうすると,原告標章と被告各標章とは,一般の需要者が外観に基づく印象として,全体的に両者を類似のものと受け取るおそれがあると認められる。
  これに対し,被告は,取引の実情として,被告各商品が「JUNKMANIA」とのウェブページにおいて,「REMAKE」や「CUSTOM」との表示とともに販売されており,いかなる取引者・需要者も被告各商品の出所が原告であると誤認混同するおそれはない旨主張するが,不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為においては,混同が発生する可能性があるのか否かが重視されるべきであるのに対し,同項2号の不正競争行為にあっては,著名な商品等表示とそれを有する著名な事業主との一対一の対応関係を崩し,稀釈化を引き起こすような程度に類似しているような表示か否か,すなわち,容易に著名な商品等表示を想起させるほど類似しているような表示か否かを検討すべきものであるから,被告指摘の事情は類似性の判断に影響を与えるものではなく,失当である。
(4)小括
  以上のとおりであるから,被告の行為は,不正競争防止法2条1項2号の不正競争行為に該当し,前記認定のとおりの被告各商品の販売態様からすると,被告が不正競争行為を行うにつき,故意又は少なくとも過失があったと認められる。そうすると,被告は原告に対し,不正競争行為に基づく損害賠償責任を負うというべきである。
3  争点3(原告の損害額)について
(1)不正競争防止法5条2項の適用により算定される損害額について
  原告は,不正競争防止法5条2項により,被告各商品の販売により被告が得た利益額である108万1490円の損害を受けたと推定される旨主張するのに対し,被告は,同項の適用はない旨主張するので検討する。
  不正競争防止法5条2項は,不正競争によって営業上の利益を侵害された者が故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において,その者がその侵害の行為により利益を受けているときは,その利益の額は,その営業上の利益を侵害された者が受けた損害の額を推定すると規定しているところ,不正競争によって営業上の利益を侵害された者に,侵害者による営業上の利益の侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在する場合には,同項の適用が認められると解される(知的財産高等裁判所平成24年(ネ)第10015号・平成25年2月1日判決参照)。
  これを本件についてみるに,前記認定のとおり,原告標章と被告各標章とが類似していることに加え,原告商品は一般消費者に対して店舗での販売以外にもインターネットのウェブサイトにおいても販売されているところ,被告各商品も一般消費者に対してインターネットのウェブサイトにおいて販売されていること,被告各商品の価格は,原告商品よりは安価であるものの相応に高価格であり,その需要者層には一定の重なり合いがあると推認されることに照らすと,原告には,被告による侵害行為がなかったならば,利益を得られたであろうという事情が認められるから,原告の損害額の算定につき,不正競争防止法5条2項の適用が認められるというべきである。
  そして,証拠(甲9,10)及び弁論の全趣旨によれば,被告は,平成25年3月から平成27年9月までの間,別紙「被告各商品の販売数量等」記載のとおり,被告各商品の販売により,少なくとも108万1490円の利益を得たと認められるから,不正競争防止法5条2項の適用により,原告が受けた損害額は上記同額である108万1490円であると推定され,これを覆すに足りる主張立証はない。
  したがって,不正競争防止法5条2項の適用により算定される損害額は,108万1490円であると認められる。
(2)無形損害の額について
  原告は,需要者の原告商品又は原告標章に対する信用や価値が毀損されて無形の損害を受け,その額は少なくとも上記⑴の損害額である108万1490円を下らないと主張する。
  そこで検討するに,前記認定のとおり,原告はバッグ類,袋物及び被服等で知られる世界的に著名な高級ブランドを擁するフランス法人であり,原告標章も世界的に広く知られるに至っていること,原告標章を使用した商品の日本での販売実績が多額に上っていること,原告は,多額の広告宣伝費用を支出して,多数のファッション誌や全国紙,テレビコマーシャル等に原告標章の広告宣伝の掲載を依頼していることなどから,原告標章は被告各商品が販売等された平成25年3月の時点において著名であるばかりか,原告は,創業当初から偽造品対策に取り組んできており,商品の品質とブランドイメージを管理する目的から,限定された販売方法をとっていること,原告の子会社は,原告の知的財産権の保護・管理事業を行うほか,知的財産に関するセミナーやシンポジウムを開催したり,特集記事やテレビ報道等の活動を行い,原告の知的財産権の侵害に対しては,インターネット市場における侵害行為の監視,これに対する警告や損害賠償請求,警察の捜査への協力,税関当局との連絡等の多大な努力を払っている。これらに加えて,被告各商品は,原告商品と同様に一般消費者に対してインターネットのウェブサイトにおいて販売されているところ,被告各商品の価格は,原告商品よりは安価であるものの相応に高価格であるが,被告商品4について見るに,原告商品と比較して,縫い目の美しさの違いや生地とソール部分の隙間の有無等の点において,粗雑な品質であることが認められるところであり(甲35),その品質において相違が存在するものと推認される。
  そうすると,被告による不正競争行為は,原告が長年の企業努力により獲得した原告標章の著名性及びそれにより得られる顧客誘引力を不当に利用して利得するものであり,原告の企業努力の成果を実質的に減殺するものであるから,需要者の原告商品又は原告標章に対する信用や価値が毀損され,原告は無形の損害を被ったものと認められる。この損害は,その性質上,一義的にその金額が算出され得るものではないが,原告の事業規模や事業内容,宣伝広告の態様やそれに費やした費用,日本における営業活動の内容,原告標章を維持するための原告の努力のほか,被告各商品の販売期間や得た利益額,その結果認められた原告の逸失利益額等を総合考慮すると,原告が被った信用毀損等の無形損害の額は,50万円と認めるのが相当である。
(3)~(4)省略
4 結論
・・略・・

判旨一部抜粋(下線は筆者による。また「別紙」は省略する。)

第1~第3 省略
第4 当裁判所の判断
1 原判決の引用
・・略・・
2 当審における当事者の主張について
(1)不正競争防止法2条1項2号該当性
 ア 控訴人は,被告各商品に被控訴人の著名表示が付されていることは認めつつ,需要者がその出所につき控訴人であり被控訴人ではないと認識し得る場合であり,著名表示は商品のデザインとしてのみ使用されていることから,著名表示が「商品等表示」として使用されているとはいえないなどと主張する。
  しかし,不正競争防止法2条1項2号は,同項1号と異なり,「他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為」であることを要件としていない。これは,同項2号の趣旨が,著名な商品等表示について,その顧客吸引力を利用するただ乗りを防止すると共に,その出所表示機能及び品質表示機能が希釈化により害されることを防止するところにあることによるものである。このため,他人の著名な商品等表示と同一又は類似の表示が,商品の出所を表示し,自他商品を識別する機能を果たす態様で用いられている場合には,商品等表示としての使用であると認められるのであって,需要者が当該表示により示される出所の混同を生じるか否かが直ちにこの点を左右するものではない。
  また,原告標章は著名性を有し,高い出所識別機能を有するものであること,原告モノグラム表示の使用態様として,商品に応じてその一部分のみを商品に付して使用されており,必ずしも「LOUIS VUITTON」との文字商標を必要とはしていないことは,前記のとおりである(引用に係る原判決「事実及び理由」第4の2⑴及び⑵)。他方,被告標章1~7は,原告標章を構成する原告記号a~dと同一の記号により構成され,その配置も原告標章と同一の規則性に基づくものの一部分ということができ,また,被告標章8は,被告記号eの存在や配色において原告標章と異なるものの,配置の規則性の点では原告標章と同一に配置されたものの一部分ということができる。このような原告標章の著名性や,原告標章と被告各標章との構成要素及び使用態様の共通性に鑑みると,被告各標章は,いずれも,これを見た者の認識において,容易に著名表示である原告標章を想起させるものであることは明らかである。このことは,控訴人が取引の実情として指摘する「REMAKE」,「VINTAGEのLOUIS VUITTONの生地を…落とし込んだ」,「カスタム」,「CUSTOM」といったウェブ上の記載の存在や「JUNKMANIA」という屋号の表示の存在等を考慮しても異ならない。
  以上より,被告各標章は,それがデザインとして認識されるか否かはさておき,出所識別機能を有する態様で用いられているものと認められるのであって,この点に関し控訴人がるる指摘する事情を考慮しても,控訴人の主張は採用できない。
 イ さらに,控訴人は,不正競争防止法2条1項2号に該当するには著名表示の主体の営業上の利益が侵害されるような場合でなければならないと主張する。
  しかし,後記のとおり,表示希釈及び表示汚染という観点をも含め,控訴人の行為により被控訴人に現に損害を生じていると認められることから,仮に控訴人の主張を前提としても,この点をもって不正競争防止法2条1項2号該当性が否定されることにはならない。
ウ したがって,控訴人の行為は,不正競争防止法2条1項2号の不正競争行為に該当する。
(2)損害の額について
ア 控訴人は,需要者は,被告各商品が被控訴人によって販売されていない商品であることを認識しながら,敢えて控訴人の商品を購入しており,控訴人による被告各商品の展示販売行為がなければ被控訴人が利益を得られたであろうという関係にはないなどと主張する。
  しかし,原告標章と被告各標章との類似性の程度,原告商品及び被告商品の販路の共通性並びに需要者層の重なり合いの蓋然性に鑑みると,被控訴人には,控訴人による侵害行為がなければ利益を得られたであろうという事情が認められることは,前記のとおりである(引用に係る原判決「事実及び理由」第4の3⑴)。
イ 控訴人は,被告各商品の販売により受けた利益は12万3442円であり,かつ,この利益額への原告標章の貢献の程度はその50%にとどまるなどと主張する。
  不正競争防止法5条2項に基づく損害額は,侵害者の売上額から原材料の仕入価格その他の変動経費を控除した限界利益と解すべきであって,売上高の多寡にかかわらず発生し得る販売費及び一般管理費等は原則として控除されないと解される。そして,控訴人は,経費の控除につき,その項目を区別することなく,決算書上「経費」として計上したもの全額の控除を主張するにとどまり,変動経費の額に関する具体的な主張立証はない。
  また,推定覆滅事情は控訴人において主張立証すべきところ,控訴人主張の被告各商品の売上げに対する原告標章の貢献の程度を裏付けるに足りる証拠はないから,この点に関する控訴人の主張も採用し得ない。
ウ 控訴人は,被告各商品の展示販売により被控訴人の信用が毀損されることはないなどと主張する。
  しかし,前記のとおり(引用に係る原判決「事実及び理由」第4の3⑵),原告標章は著名性を獲得した商品等表示であり,また,被控訴人は,その商品の品質及びブランドイメージを維持管理するために多大な努力を払ってきたことが認められる。他方,被告各商品の中には,被告商品4のように,品質の点で原告商品と比較して粗雑というべきものが含まれていると認められることに加え,控訴人自身,被告各商品は,原告標章(ないし原告モノグラム表示)の著名性に便乗し,被控訴人の商品の「高級感を揶揄し風刺する意図」で製作販売された「チープな商品」と主張しているものであり,客観的にも,その構成等から,そのような意図等で製作販売された商品であることが容易にうかがわれる。
  このような被告各商品が市場に存在することが,原告商品の品質及びブランドイメージに悪影響を及ぼし得ることは明らかである。
  そうすると,控訴人による不正競争行為は,被控訴人が長年の企業努力により獲得した原告標章の著名性及びそれにより得られる顧客誘引力を不当に利用して利得するものであり,被控訴人の企業努力の成果を実質的に減殺するものであって,著名な原告標章を希釈化するのみならず,これを汚染するものというべきである。これにより,需要者の原告商品又は原告標章に対する信用や価値が毀損され,被控訴人は無形の損害を被ったものと認められる。
エ したがって,この点に関する控訴人の主張はいずれも採用できず,不正競争防止法5条2項に基づく損害額は108万1490円,信用毀損等の無形損害の額は50万円及び弁護士費用相当額15万円を,いずれも下回ることはない。
3 結論
・・略・・

検討

 本判決は,著名なブランドのロゴマークを使用した商品を販売する行為は,ウェブサイトでの説明書き等の記載にかかわらず,不正競争行為に該当し,当該商品により得られた利益が損害に該当することを判示した事案である。
1 不正競争防止法2条1項2号
 不正競争防止法2条1項2号の趣旨は,多大の資金と労力を投下して商品等表示の著名性を得た事業者を,当該事業者の獲得された地位(ブランド)に対する侵害行為から保護することにある。侵害行為の例としては,著名表示が作り出すイメージにただ乗り(フリーライド)する行為や,当該イメージを拡散し,価値を毀損する行為(ダイリューション),あるいは,当該イメージを汚染する行為(ポリューション)などがあげられる。
 同号において不正競争行為とされる要件として,①他人の表示の「著名性」,②当該著名表示との「類似性」が必要となる。
 ここで,「類似性」の判断は,双方の商品等表示の外観,称呼又は観念に基づく印象,記憶,連想等をもとに取引の実情を考慮しつつ全体的観察によって行われるが,同項1号では,出所混同のおそれを基準に「類似性」を考えるべきであったのに対し,同項2号では,上記趣旨より,著名な商品等表示とそれを有する著名な事業主との一対一の対応関係を崩し,稀釈化を引き起こすような程度に類似しているような表示か否か,すなわち,容易に著名な商品等表示を想起させるほど類似しているような表示か否かを検討すべきものと解するのが相当と解されている(「新・注解不正競争防止法第3版上巻」P452,東京地裁平成20年12月26日・平19(ワ)11899号)。
 本件において,被告は,被告商品が原告商品のリメイク品であることを明確に表示して販売していたため(「REMAKE」,「VINTAGEのLOUIS VUITTONの生地を…落とし込んだ」,「カスタム」,「CUSTOM」といったウェブ上の記載の存在や「JUNKMANIA」という屋号の表示の存在),被告ウェブサイトを閲覧した需要者は,原告が運営・販売しているサイト及び商品であると考える可能性は低いといえる。しかしながら,被告商品に付された標章(ロゴマーク)から,需要者はルイ・ヴィトンというブランドを容易に連想するといえるし,被告もその点を前提として被告商品を販売している(被告は,原告ロゴマークの使用は「デザイン」としての使用であり,「高級感を揶揄し風刺する意図」であったと主張しているが,当該主張は,ロゴマークの使用により原告が想起されることが前提となるものである)。したがって,被告の上記サイト上の記載は「類似性」の判断に影響しないと判示された。
 不正競争防止法2条1項2号の「類似性」は,商品販売の際の説明書きやデザインの目的にかかわらず,判断されることとなる。つまり,デザインの一部として著名な標章を使用する場合,販売するウェブサイト上で当該ブランドの商品ではないと説明を行ったとしても,当該販売行為は,不正競争防止法2条1項2号の不正競争行為に該当する。著名な標章(ロゴマーク)に類似するマーク等を自社の商品に付す場合には,十分に注意が必要である。
2 不正競争防止法5条2項
 本件において原告の損害額について,知財高裁平成25年2月1日判決(平24(ネ)第10015号)を参酌し,ロゴマークが類似している点,被告及び原告ともにインターネットのウェブサイト上で商品を販売している点,被告製品は原告製品に比べ安価だが相応に高価格である点から需要者層に一定の重なり合いがあり,「侵害者による営業上の利益の侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在する」と認定され,不正競争防止法5条2項より,被告が被告商品によって得られた利益が原告の損害として認定された。
 しかし,不正競争防止法5条2項の適用については,適用の対象となる不正競争行為の性格や取引状況に応じて合理的な適用範囲が画されるべきと解されており(「新・注解不正競争防止法第3版下巻」P1041),侵害者の商品と被侵害者の商品との間に競業関係がないことを理由に侵害者の利益相当を損害として認定されなかった事案も存在する(大阪地判昭57年2月26日・昭55(ワ)4307号)。本件においても,被告商品が,被告のオリジナリティの強いリメイク品であり,原告のブランドを揶揄し風刺する意図を有している商品であることが明確である場合,被告商品を購入した消費者が,被告商品がなかった場合に原告商品を購入するという可能性は,比較的低く,被告商品と原告商品が競合関係にないとも解されるため,不正競争防止法5条2項による損害額の認定は困難であったとも考えられる。(この点,被告製品の販売による利益は,原告の著名表示の財産的価値によるものであることからすると,被告の行為により原告の上記価値が棄損され,被告は当該利益を得たものであるから,当該利益相当が損害であると判断できると考える見解もある(松尾和子「新不正競争御防止法の問題点―損害額の推定の規定の導入について―」)。)
 しかしながら,本件では,被告商品は,一見してはリメイク品であることや風刺する意図を有する商品であることは伝わりづらいと言えることから,両者は競合関係にあると判断され,上記のような判決に至ったと考える。

以上
(文責)弁護士 市橋景子